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コラム

米国マーケティング業界、トップランナーに聞く。

米国の人気航空会社、JetBlueのデジタルxソーシャル戦略

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社内の横連携は強く、大抵の場合は数分で伝わるように組織化されています。

結城:カスタマー・サポートをする上で、もしCEOや他の部署からの了承や、すぐにコンタクトを取らねばならない状況があったとしたら、どのぐらいの早さで(情報が)伝わる仕組みになっているのでしょうか?

ローリー:大抵の場合、数分で伝わります。とても迅速です。プロセスとしては、まず私たちのカスタマー・サポートチームは社内のコミニュケーションチームとマーケティングチームがいつでも連絡し対応できるように、その日のスケジュールをシェアし、起こり得る出来事の把握と対応の準備をしています。もし予期せぬ出来事や、一刻も早く社内に伝えるべきお客様からの重大発言があれば、すぐに社内のコミニュケーションチームと上層部にeメールをします。

結城:ローリーさんのチームにおいて、チームメンバーの方々が持つ権限について教えてください。

ローリー:メンバー全員が、私の確認や承認なしにそれぞれ判断し対応できます。私たちはJetBlueを代表する顔であり、誠実に対応することがお客さまとの絆を作ると常に意識しています。メンバーを信頼し、自発的に行動を起こしてもらうことで、お客さまへの迅速かつ誠実な対応ができると思っています。

取材を終えて

インタビューでもっとも心に残ったことは、ソーシャルメディアをお客さま主体のコミュニティと捉え、常に謙虚な姿勢を保っているということ。そして、特に大切なのは「人間性」に根づいたサービスをソーシャルメディアという場で提供したいと考え、実践していることでした。

これは実は米国においては、通常料金を払っている大手の航空会社からでさえ、滅多に受けられないサービスであるため、社内的にコミュニケーションコストを切り詰めることを要求されがちな格安航空会社から、「人間性」に根づいたサービス、つまり品質を重視した個別対応のサービスを受けられることは感動的ですらあると思うのです。

「人間性」に根づいたサービスというポリシーは、担当者のトレーニングを前向きなものに変え、その上で各自の個性や判断に任せるという信頼性につながり、緊急の際は数分で横串を刺したチームに伝わるチームワークをつくり上げたと言えます。

格安ブランドにありがちな、安かろう悪かろうというステレオタイプのイメージを見事に打ち破った素晴らしい例で、ソーシャルメディアを通して、顧客と接点をもてる機会に対し、コミュニケーションコストをどのように見るべきか、そのことを考えさせられる良い機会になったのではないでしょうか。


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結城 彩子
Ys and Partners取締役副社長 / ブランド・ストラテジスト

広告代理店などを経て2002年に米国でYs and Partnersを、2005年にジャパンオフィスを共同創業。日米クライアントを中心にグローバルブランドの戦略立案、ソーシャルメディアを含めたマーケティングプラン開発などに携わる。

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