「現在・次回・未来」でカテゴリーを見通す。
「メーカーと小売業のパートナーシップの進展」の中では、「カテゴリーアドバイザー」は1年から1年半の視野でカテゴリーを捉えているのに対し、「カテゴリーキャプテン」は1年から3年の見通しでカテゴリーを考えているという、時間的な視野の広さに言及されています。
上の図は、売り方のイノベーションを時間的な視野で捉えたものです。
「現在」とは、半年から1年の視野で、例えばエンドのみで売り方のイノベーションを実施するイメージ。この場合、投資額は少なくて済むが、成果が「+2%」の売上向上にとどまります。「次回」とは、1年から3年の視野で、エンドと定番棚で売り方のイノベーションを実施するイメージ。この場合、投資額はやや大きくなるが、成果は「+5%」の売上向上になります。「未来」は、3年以上を視野にカテゴリー売り場全体で売り方のイノベーションを実施するというイメージです。当然、投資額は高額になりますが、成果も「+18%」の売上向上と、大きな成果につながります。
売り方のイノベーションは、一足飛びに「大規模で華やかな売り場づくり」を実現するものではありません。どこから、どの規模で「売り方のイノベーション」をスタートし、どのくらいの時間的視野で取り組むのか。そして厳密な販売データによって成果を測定したうえで評価されるものです。
そのためにも、売り方のイノベーションを企画する最初の段階から、最も理想的な形とその理想形への見通しを持つことが大切です。そしてこの見通しに基づいて評価を行い、PDCAサイクルを回していくことが求められるのです。
次回は、このような視点を踏まえて、日本における売り方のイノベーションの実践について考えてみます。
また、4月14日(火)に開催される「AdvertimesDAYS2015」で、『新しい売上を作る「売り方のイノベーション」を実践する』と題した講演を行います。コラムで書かれたことを実践するためにはどうすればいいのか?について語りますので、ぜひお越しください。
「新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~」バックナンバー
- 最終回 売り方のイノベーションとオムニチャネル(2015/4/16)
- 日本で「売り方のイノベーション」を実施するための組織と商談の工夫とは?(2015/4/09)
- 米国成功事例② P&GがTargetをビューティケアカテゴリーの「絶対行きたいお店」に変革した売り方のイノベーション(2015/3/13)
- 米国成功事例① スーパーで売れた「スターバックスコーヒー」とは?カテゴリーも活性化させた売り方のイノベーション(2015/2/26)
- デート成功の秘訣は、ショッパーのディマンドとインサイトが出発点。(2015/2/12)
- メーカーと小売がWIN—WINとなる「ショッパー・ベース・デザイン」はこうして生まれた(2015/1/29)
- 買い物客の購買行動を操作するとは?米国 乾電池売り場の劇的改善(2015/1/15)
新着CM
-
マーケティング
手作り「スイカバーの素」 ダイソーで先行テスト販売…ロッテ
-
クリエイティブ
サントリー烏龍茶や月桂冠など定番6商品、ファミマカラー限定パッケージに
-
クリエイティブ
ズンズンペンギン、ヌンヌンアザラシ…海の動物が迫るマリンワールドの広告
-
AD
マーケティング
インテグレートとTOPPANがウェルビーイングビジネスの協業を開始 その狙いは?
-
クリエイティブ
新木優子がファッショナブルな間食を提案、湖池屋「ランチパイ」CMの裏側
-
広報
U-NEXT HOLDINGS、新社名にあわせたブランドコミュニケーション開始
-
クリエイティブ
「一言日記」のような言葉で心を捉えるルミネのコピー、約20年続く理由
-
クリエイティブ
お米・人・製品への愛を表現、賀来健人をキャラクターに『亀田の柿の種』の新キャンペ...
-
AD
特集
広報業務が変わる!PRのデジタルトランスフォーメーション