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コラム

新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~

メーカーと小売業がWin-Winの関係で売り方のイノベーションに取り組むには?

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カテゴリーのビジョン・目標・成長要因の共有

以前にも解説した通り、カテゴリーとは「ショッパー視点で捉えた、同じ需要を満たす商品群・商品分野を、小売業の目標や戦略に基づいて設定したもの」と言えます。多くの場合はショッパーが買い物をしやすいように、カテゴリーを、商品の「用途・機能」により再分類しています。しかし、売り方のイノベーションでは、ショッパー・ベース・デザインを用いることで、ショッパーをより情緒的価値観での購買に誘導するための「新しい選択肢」を提示します。

このときショッパーに示される「新しい選択肢」は、当該カテゴリーをどのように成長させていくのか、という「カテゴリーのビジョン・目標・成長要因」に基づいたものでなければなりません。
どのような品ぞろえで、どのような買い物客を満足させるかという、「カテゴリーのビジョン・目標」を決定・実行するのは小売業の役割です。しかし、「カテゴリーのビジョン・目標」を支える「成長要因」を探りだし、ビジョン・目標の達成につなげるには、メーカーとの協働が不可欠です。

したがって、小売業はまず「カテゴリーのビジョン・目標・成長要因」を明確にすることが求められます。それをメーカーと「共有」することで、メーカーが「カテゴリー開発・活性化」に協力・参画できる環境が整います。またメーカーも積極的にカテゴリーをリードする姿勢を持つことで、小売業からカテゴリーに関する「相談」を受ける立場を確保することになります。

ここでひとつ押さえておきたいのは、カテゴリーにおけるトップシェアのブランド/メーカーが、常に小売業のパートナーになるわけではない、ということです。なぜなら、「カテゴリーのビジョン・目標・成長要因」こそ最優先で、それにもっとも相応しいブランド/メーカーがパートナーになるべきと考えているからです。

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