“「ひとまね」はしない”
まず、「ひとまね」はしない。真似で勝てるほど、商売は甘くない。「ひとまね」というのは、何が問題かと言えば、二番煎じだから?そうじゃない。本質的に考えると、お客様不在だからだ。お客様から発想していない仕事は、まず失敗する。どこそこでやっていたからとか、こんなのにあこがれていたからやってみた?
今、目の前にいるお客様はどうするんだい?無視するのか?ヴィレヴァンは、今、すぐ目の前にいるこのお客様に、次に何を提供すれば喜んでもらえるか?考えるバイヤーが店舗ごとに存在していることが強みだ。あこがれを表現するのは商売じゃなく道楽に近い。
“本質をとらえたビジネスをしたい”
すごく単純なことで、手間と労力は尋常ではないが、目の前のお客様にどれだけ丁寧に対応できるか。これに尽きると思う。100店舗あれば、バイヤーが100人以上いるのがヴィレヴァンの強みだ。しかも、ターゲットであるお客様がそのバイヤーの目の前をウロウロしているわけだ。事細かく、動きや反応を観察してそれに応えていく。アナログだけど、非常にシンプルだ。ヴィレヴァンのビジネスモデルとして、この強みを活かさずになにを活かそうか。ヴィレヴァンのビジネスは人間学に近い。
すべては、いま目の前にいるお客様のために
つらつらと、ポイントだけを書きなぐってきましたが、私がスタッフに伝えてきたイメージが少しは伝わったかと思います。毎日のように、このようなコラムを読まされるスタッフは、頭の中に判断基準が生まれ、どんどん自分で行動を起こしてくれるようになっていきました。なので、私のもとから巣立っていった店長の数は、おそらく社内の誰よりも多いんじゃないかと思います。
東日本大震災が起こってから特にですが、商売の在り方、会社の姿勢というものを問われる時代にますますなっているかと思います。いままでの常識や固定観念をすべて取り払って、今一度、お客様からすべてビジネスを組み立てなおしてみたときに、また何か新しい視点が生まれ、世の中をもっともっと面白くしていけるのではないかなと思います。私は小売というビジネスは人に幸せをつくるものだと考えます。今後もまた、いま目の前にいるお客様のために、その時代にあったさまざまな形で常識の破壊と創造を繰り返し、世の中に少しでも潤いを与えられるよう仕事に邁進していきたいと思います。
おわり。
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