——CMの可能性のお話を伺ったところで、いよいよ本題についてお伺いします。田端さんから見て、今の日本のテレビのビジネスモデルについては、どう思われますか?
田端:正直、無駄が多い、と思います。無駄、というか、もったいないなあっていう印象。
例えば、よくいろんなところで言うんですけど「これまでの人生において、どれだけ、僕は生理用ナプキンのCM見せられたかな?」と。僕にはまったく関係ないんですよ(笑)。企業のスポット広告費も無駄になっているし、それを観ている15秒の僕の時間も無駄になっている。
アメリカでは、セットトップボックスやスマートテレビの普及により、すでに端末側で、視聴者に合わせたテレビCM差し替えも可能になっていますよね。そういう動きが今後、日本でも必ず起きてくるし、結果的にテレビのビジネスモデルも変わらざるを得なくなるでしょうね。
そもそも、現在のテレビビジネスの基軸である「視聴率」っていう考え方が曖昧な概念だな、って思っていて。
例えば、ハードディスクレコーダーによるいわゆる「タイムシフト視聴」や「見逃し視聴」って今、番組の視聴率に反映されてないですよね。
僕個人の意見で言えば、日本代表戦とかよっぽどのことがない限り、もはやライブでテレビを観る必要性なんてないんですよ。ほぼHDで録画して、あとで自分の都合の良い時間に観ています。そう考えると「見逃し」っていう言い方自体も、かなり殿様商売な言い方ですよね。なんでわざわざ、テレビ局の編成の人に自分の生活サイクルを決められなきゃあかんの?って(笑)。
「「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】」バックナンバー
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