エージェンシー収益モデルの将来性には悲観的
「つながる時代には、3つのディスラプション(創造的破壊)が起きています」とワックスマン氏は指摘する。それは「ビジネス(製品・サービスのあり方)」「コマース(ショッピングのあり方)」「コミュニケーション」だという。R/GAはこれらすべてを対象領域としている。
R/GAの事業を収益構造で見ると、「ベンチャー投資・アクセラレーター」(株式売却益)、「イノベーションのコンサルティング」(成果報酬)、「エージェンシー業務」(リテナーフィー)、「プロダクション業務」(制作フィー)、「ライセンスビジネス」(ライセンス料など)の5つに分けられる。複数の収益源を持つことで事業リスクを分散させつつ、新たな領域に投資を続けている。
ワックスマン氏によると、上記のうち将来性があるのが「ベンチャー投資」と「イノベーションのコンサルティング」。ベンチャー投資はイノベーティブなR/GAならではのビジネスとして注目されているが、投資だけでなく同社のリソースを提供することで成長を加速させる役割を担う。コンサルティングについては、アクセンチュアやマッキンゼーなどの人材を採用している。一方で、「エージェンシー業務」への見通しは「プレイヤー多く競争が激しすぎる」とやや悲観的だ。
オフィス刷新は優れた人材に定着してもらうため
参加者からの「なぜ9年周期なのか」との質問には、「新しいテクノロジーが生まれ、やがてコモディティ化し次のテクノロジーに取って代わるまでがおよそ10年。我々はそれが終わる前に次代に対応していく」と返答。「次の9年が始まる2022年以降は?」との問いには、「まだよく分からないが、ビッグデータ、マシンラーニング、ロボティクス、AIあたりが鍵となるのでは。オートメーション化によって、我々の業務の一部がマシンに取って代わる可能性もあります」と述べた。
R/GAは2016年初めにニューヨークオフィスを「ハドソンヤード」の再開発地区に移転した。スタッフにとって働きやすく、イノベーションを生み出すためのオフィスを心がけたという。広々とした、真っ白でシンプルな内装に見えるが、太陽の位置によって照明の明るさを変えたり、音を吸収する床材を施したりと、細部に様々な工夫を凝らしている。
特に重視したのは従業員満足度を高めること。同社もまた、グーグルやフェイスブックなどとの人材獲得競争にさらされ、優秀なスタッフが引き抜かれることも多い。従業員にアンケートを取った結果、オフィス環境が会社への満足度に影響を及ぼすとの結論に至った。従業員の定着率が移転前(76%程度)から86%に高まったという。
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