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コラム

小霜和也の「迷えるデジタルシフト難民のお悩み相談室」

デジタルシフト相談室「クリエイターの皆さんのお悩みに答えます」編

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次はデジタルの現場でお仕事をされている、クリエイターの方たちからの質問です。

Q:コンビニで購入できる日用品のような身近な商材や、オンラインでそのまま購入できる商材は、Web動画で売れる感覚がありますし、イメージもしやすい。ただ、車や住宅のような高額な商材が動画でどれだけ売れるのかは、疑問です。どう思われますか? 

 

小霜:ダイレクト系でなければ、広告がそのまま「売る」ということはできません。まずは認知から購入に至る流れの中で、どこまでを広告の役割と考えるかです。

不動産や自動車の場合、価格帯などによってモデルルーム来場者や試乗者のだいたい何パーセントかは購入に至る、といういわば歩留まりがあるはずですから、広告のKPIを来場者数とすれば、位置ターゲティングや行動ターゲティングによって顕在ターゲットにアプローチすることで、送客につなげるのはすごく困難なことではないと思います。後は現場の営業マンに任せればよい。

むしろWeb広告で日用品を売ることの方が難しいように自分は感じます。

Q:バズる動画と、売れる動画の違いを教えてください。 

 

小霜:持論ですが、広告とは飢餓感の残し方が大事だと思っています。

人は常にモヤモヤした不満や欲求を抱えながら暮らしていて、その気持ちに刺さる「効く」広告というのは商品への飢餓感をうまく残す広告ということです。「シェア」ボタンをクリックして動画を拡散すると、そこで満足感が生まれちゃって、飢餓感がなくなってしまう気がするんです。

商品の使い方とか、新しい食べ方とか、そういうものが前面に押し出されていて拡散される動画はまた別で、商品の価値そのものが口コミで伝わっていくようなものですから、いわゆるバズ動画と十把一絡げにすべきでないと思っています。

Q:動画を制作する際、何をKPIにするのか。オンライン施策である以上KPI抜きには語れませんが、再生回数なのか、シェア数か、PVか。小霜さんはどうしていますか? 

 

小霜:ケースバイケースとしか答えようがないのですが、動画に全てを負わせようという考え方には無理があると思っています。本にも書きましたけど、クリック率が高いのは動画よりも静止画バナーです。だから、僕はWebCMのKPIは視聴「質」(どのように観られたか)に置き、リターゲティングのバナーのKPIをクリック率に置くなど、いろんなクリエイティブを組み合わせて運用することが多いです。

Q:この本をぜひ上司(マスを得意とする世代のCD)に読ませたいのですが、何と言って渡せば一番効果的だと思いますか? 

 

小霜:「みんな読んでますよ」。

いろいろと具体的なアドバイスを(笑)、ありがとうございます。WebCMとリタゲのバナーを組み合わせる方法は本にも書かれていましたね。

次ページ 「Webのことはちょっとよくわかりません。」へ続く