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コラム

小霜和也の「迷えるデジタルシフト難民のお悩み相談室」

デジタルシフト相談室「クリエイターの皆さんのお悩みに答えます」編

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Q:Webの仕事ってぶっちゃけお金にならないのですが。 

 

小霜:マス・Web統合時代とは、マス・Web「財布」統合時代でもあると思っています。マスとWebが地続きになって、同じ組織が統轄するようになって、テレビで流すコンテンツもWebで流すコンテンツも同じチームが作るようになると、予算、とりわけ制作予算が平準化されていくということです。デジタル広告時代はコンテンツが増える分、一つ一つの予算は減る傾向となるでしょう。でもWebコンテンツについては上がっていくと僕は予測しています。

「財布」=広告主の予算、ということですね。「財布を統合する」=宣伝部とデジタルマーケティング部、あるいは宣伝部と事業部で分かれている予算が統合されるようになる、と。次の方の質問にもつながってきますね。

Q:マス系のクリエイターはデジタル系のクリエイティブの価値を認めた方がいいと思うし、デジタル系のクリエイターはマス系のクリエイティブの伝統をもっとリスペクトしたほうがいいと思っています。現実ではなかなかそうなっていませんが、どうすればお互いの溝は埋まると思いますか? 

 

小霜:マス系とWeb系の組織を一つにマージするしかないと僕は思ってるんですよ。すでに実害も出始めていて、つまり、広告主からするとエージェンシーはマスとWebと何で別々に作業するんだ、それじゃフィーが2倍かかるじゃないかと。でもエージェンシーからすると、広告主の担当が別だから別チームで対応してるんですよ、となる。

組織を一つにして、マスとWebを統合してコミュニケーション設計するようになれば、人やお金の無駄も省けるし、いろんな歪みがなくなるということなんですが。僕が知る範囲でも、僕の本に共感してくれて実際にその方向で動き出している広告主がすでに何社かいらっしゃいます。

広告主の組織の縦割りの壁がなくなれば、結果、エージェンシーのチームも統合されるということなんですね。広告界の働き方改革の議論が色々となされていますが、生産性を上げる根本的な解決策は、ここにあるのかもしれません。

次ページ 「商標取ってないんですか?」へ続く