コラム

「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】

辺境の異種格闘技。ACC賞「ブランデッド・コミュニケーション部門 」審査委員座談会<Part2>

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新しいギネスブックと、新しいミシュランガイドを探す。

東畑:我々がつくるものは、コンテンツであり、広告でもある、みたいなことをわりとフラットにやる時代がきていて、最近、仕事をする時に、そういうつもりでやっています。

菅野:企画の時点で、ネット上のコンテンツとしてある程度消費されたり、シェアされたりすることを切り離して考えられない。今の時代、たとえCMをつくるんだとしても、そこの影響を無視してやるというのはないんでしょうね。

橋田和明さん

橋田:僕も、関わった多くの作品がけっこうPR中心だったり、プロモーション中心で、それを話題化してコンテンツ化しているみたいなことをやっていたりするんです。屋外広告を1枚つくるのだって、写真を撮られたら、それがデジタルコンテンツになってネットに流通するわけで、それがどう広がっていくか、どうやったら目の前に来た人の心が動くか。広告というよりは、持っていかれるコンテンツとして、どういうふうに成立するか、ということをすごく考えている気がします。
現象をつくっているつもりだし、そういう仕事が求められているので、この部門でそれを受け止めてもらえるのは、うれしい限りです。

尾上:今、話題にするということも含めて、人の行動を誘発するというか、人がアイデアにのっかりやすい場所をつくる、構造的なアイデアが受けやすいような気がしています。100年前の広告とか、とても構造的なので今転用したらウケるんじゃないとか考えたりしています。

嶋:その通り。ギネスブックとかミシュランガイドとか発明だよね。ギネスブックは世界一のギネスビールをアピールするために世界一の記録を集めたわけでしょ。ミシュランガイドは1900年のパリ万博のととき、ミシュランのタイヤでドライブしてもらうために、クルマでいくべきレストランガイドをつくった。どれも100年以上前の仕事だけど、天才的なコンテンツマーケティングでしょ。そういう21世紀の新しいギネスブックとミシュランガイドを探す審査にしたいよね。

東畑:それいいですね。

嶋:新しい物差しをつくっている分野だね。

菅野:今までこれがなかったら絶対褒められることがなかったね、という人が現れると、すごいおもしろいなと思うし。新しい褒められ方が出てくると、それはいいことだな、と。

嶋:イベント会社とかPR会社の人たちは自分たちの業界の中に閉じこもっている感じもある。この部門ができることで、アドエージェンシーやクリエイティブエージェンシーの人たちと共通の戦場で技術を競いあうことができるようになるといいね。逆にいえば広告業界の人がびっくりするような手口を見せてほしい。審査する僕らは大変だろうと思うけど、同じ土俵で横並びになるってことはいいことだと思うよ。異種格闘技だね。

菅野:そういう方たちがバンバン出した結果、広告会社の仕事ってあんまりいいのがないね、といいうことになった時の切なさたるや。

嶋:そういうことでもいいと思うよ。異種格闘技ファイトクラブをつくるってことでしょう。

菅野:ですです。

東畑:バトルロワイヤル!荒野行動!

嶋:いい感じのスキルやナレッジの交換ができる予感がする。というか、僕らがそれを見つけなきゃいけないんだよね。

橋田:違う分野の人たちの視点をたくさん聞きたい。

嶋:ある意味、得するよね、この審査。めっちゃうれしい。新しい才能の発掘大会ができるよね。新しいやり口も。

菅野:まさに。一番大事なことだけは、自分の心にとどめて。

嶋:あとで電話する、みたいな。(笑)

菅野:審査委員がもっとも得する部門として、頑張りたいと思います。

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