メンバーに「与える」のではなく、「自分事」にすることがカギ
中村:はじめに箕輪編集室をつくったときは人数も今ほど多くなかったんですよね?
箕輪:最初の半年ぐらいは100〜200人でしたね。
中村:それでもすごいですけどね。はじめは提供者である部分もあって、面白いゲストを呼んで、トークをやってと。
箕輪:そうです。ゲスト目当てで人が増える感じでした。見城さんを呼んだら見城さんに会いたい人が入って、3割ぐらい辞めて、落合陽一さんを呼んだら落合さん目当てで入って、辞めて、ちょっと残ると。最初はコンテンツ目当てでしたね。
中村:それがどこかで意識的にネタを投下してみようと?
箕輪:そうです。佐渡島さんとの対談に書いたんですけど、変わった一番のきっかけは、僕が妻に家を追い出されて1週間ぐらい帰れなかったんです。ドアにチェーンがかかっていて。
一同:(笑)
箕輪:1年に何回かあるんですけど、マジで帰れないし、そのとき本当にお金もなくて。給料が妻のキャッシュカードにいくから本当にお金がないよと。それで友達の家を転々としていたときに、「あれ? 口座に金が増えてる。なんで?」と思ったら、オンラインサロンの金がその月から入ったとわかって。その瞬間にオンラインサロンのメンバーが好きになったんですよ。
一同:(笑)
箕輪:こいつらに食わされてるみたいな(笑)。メンバーには会社やってる人もいるから、その会社のオフィスで住まわせてもらったり、夜も暇だからみんなで飲みに行ったり。それまではコンテンツを投下していたのが、どんどんくだらないノリになって、カラオケ行ったり。僕が家に帰れない期間、大学のサークルのように頼って遊んでいたら、さっき言った主従がなくなったんですよね。みんな同じノリになって、そこがリーダーシップ型からコミュニティ型になった転機のような気がしますね。
権八:面白い。
箕輪:特にコミュニティ型で必要なのは、1人ひとりが自分たちがいないと成り立たないという、ある種の存在意義を感じることです。僕が常に完璧だとそうならなくて。「この人ダメだな、金ないなら貸しましょうか?おなか空いてるなら買ってきますよ」というリーダーのほうが、みんな自分事なのでコミュニティとしては厚くなっていくんです。自分たちがいることによって成り立ってると思うから。
中村:箕輪さんは傲慢ではないんですよね? 「おーいアンパン買ってきて」とか。
箕輪:傲慢ですね(笑)。嫌な感じじゃないかもしれないけど、それこそ僕はアル中みたいなところがあって、基本的にハイボールがなくなったら誰かが買ってくるし。
権八:だんだんわかってきた。この人、私が支えてあげないとダメかもしれないと。
箕輪:そこは絶対にあります。
権八:自信満々に言ってるけど(笑)。
箕輪:キャンプファイヤーの家入さんが「オンラインサロンやろうかな。でも定例会とか絶対にできないし、僕が主催して僕が行かないもん」と言ってたんですけど、本人が来ない定例会のほうが盛り上がるんですよ、絶対。
たとえば家入さんが澤本さんをゲストに呼んで、これからのコンテンツの話をすると言っているのに、家入さんが来なかったら、メンバーは気を使って澤本さんにおいしいものを買ってきたり、本当にすいませんと言ったりして、コミュニティになるんですよ。
澤本:なるほど。
箕輪:それがあまりにも完璧なMCをやって、ゲストともうまいことやって、今日はありがとうございましたと解散しちゃうと、それは単にイベントに参加してるだけなので、コミュニティではないんですよね。
澤本:確かにね。
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