コラム

「シェアしたがる心理」のこれからを考える

佐渡島庸平氏×天野彬氏 対談 「SNSは熱量からサステナビリティへ」-コミュニティの本質を考える【前編】

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SNSにまつわる<熱量>はテンション(短期)とモチベーション(長期)の2種類

佐渡島:<熱量>にもふたつあります。僕の本の中では「テンション」と「モチベーション」の差と表現していますが、広告会社の仕事は、短期のキャンペーンで「テンション」を上げることを目的にしたものが多い。一方でストック型のインターネットでは、「テンション」が高い人に毎日発信されると、しんどくなるので、長期的な熱量である「モチベーション」の高い人が発信することが重要になります。

佐渡島庸平氏

天野:ご著書の『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜』の中ではさらに、熱量だけではダメと仰っていて、コミュニティには安心感や、後から入った人も馴染める要素が大事だと指摘されているのが印象的でした。実際、熱い人しかいないと温度差で後から興味を持った人は入りづらいですよね。佐渡島さんが実際に運営されているコルクラボでも、「濃さを保ったまま増やす」ことを意識されているとか。

佐渡島:そうですね。いきなり全部を見せて熱狂させても、ひと月でテンションなんて下がるし、後からも入ってきづらいです。3年から5年かけて、ゆっくり熱量を高めていって、たまに本質が見える。さらに、その気になってストックを遡ればアイデンティティも全部見える。

その気になってもらうまでに時間をかけることで、自然と、生活の中にも溶け込んでいくことができます。ユーザー側の生活の一部になると、本人は変わったつもりはないのに、周りから見た時にテンションもモチベーションも高まっているように見える。この適度なバランスは、なかなか難しいですけれどね。

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