コラム

48歳のピボット・ターン 〜広告会社のCDが、テックベンチャーに入ったら〜

その会社は、ユニコーンと呼ばれていた

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TVCMが企業の全てとは限らない

しばらく前から、ベンチャー企業のビジョンやミッションのお手伝いをしていたこともあり、実はベンチャー企業に行きたいと思っていた。特にテックベンチャーに。これからの世界が動く原理として、デジタルテクノロジーを無視することはもうできない。また逆に、人間のクリエイティビティがどこまでテック企業の役に立つのかにも興味があった。生活者がどう考えどう感じるかのインサイトを発掘することや、生活者に伝わるコミュニケーションや新しいコンセプトをつくる能力を、日本の新しい競争力、新しい企業を支援するために使いたい、と思っていた。

また、自分のパーソナルミッションを改めて考えたとき、コピーライターとして言葉で情報を伝えてきた延長上に、自分の未来を考えたいと思った。前回のコラムで書いたが、新卒の時には報道にも興味を持っていたこともあり、改めて、情報の伝え方や伝わり方に関わるような、社会課題を解決したいと思うようになった。折しも、2020年のアメリカ大統領選を前にして、フェイクニュース、それが民主主義に与える影響、ケーブルテレビメディアの分断や、ソーシャルメディアのアルゴリズムがもたらす情報の偏りなど「情報の伝わり方とテクノロジー」に対する関心が高まってきており、日本にもいつか同じ問題が起こる可能性があると感じた私も、様々な本を読んで勉強していたところだった。

スマートニュースという会社に「改めて」出会うことになったのは、そんな時だった。もちろん、広告会社のクリエイティブディレクターとして、千鳥さん出演のクーポンのCMはよく知っていたので、そのイメージが強かった。しかし、いろんな記事を読んで正体を知るうちに、イメージが変わることになった。スマートニュースはアメリカでも事業を展開しており、しかもユーザー数を着実に伸ばしている、アメリカで成功している数少ない日本発のテックベンチャーだったのだ。さらに、アメリカ版のUXを知って、僕のイメージは完全に覆された(スマートニュースは右上隅の歯車アイコンから、日本版とアメリカ版を切り替えられる)。このUXが、アメリカでの成長の鍵の一つになっている!と感じたのだ。

次ページ 「社会の分断に挑むテックベンチャー」へ続く

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