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孤独なき社会へ 産後ドゥーラが母親を救う

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【前回記事】「パンの形 ―“大澤秀一”という職人がつくるパンの形―

本記事では、宣伝会議「編集・ライター養成講座」大阪教室28期修了生の横澤直美さんの卒業制作を紹介。家事や育児をサポートする「産後ドゥーラ」として活躍する塚原千津子さんへのインタビューで、現代社会における「産後ドゥーラ」の必要性を探ります。

子を産むのはいつの時代も女性である。ところが現代では、核家族化、共働き世帯の増加、出産年齢の高齢化などにより、女性が育児を行う環境は大きく変化している。その中でも、子育てのはじまりのとき「産後」は、母親の心と身体にとって最も大切な時期だ。

折しも新型コロナウイルスの感染拡大に伴って他者との接点が減少し、孤独な子育てを強いられる家庭も少なくない。ニーズの高まりとともに存在感を増す「産後ドゥーラ」から、母親達の苦悩を追った。

母親の精神的支柱「産後ドゥーラ」

「ドゥーラ」はギリシャ語で、「他の女性を支える、経験豊かな女性」を意味する。産前産後の母親に寄り添い、家事や育児をサポートする職業「産後ドゥーラ」に昨今注目が集まっている。

2012年に始まった一般社団法人ドゥーラ協会による養成講座では、保育の基本や救命救急などの専門知識を75時間かけて習得し、現場研修を経て認定された産後ドゥーラが270名以上におよぶ。その一人である塚原千津子さんは、保育士資格・絵本講師などの肩書きを持ち、大阪市内で活動する産後ドゥーラだ。

うだるような暑さの8月上旬、市内某所に自転車で颯爽と現れた彼女は、大阪で生まれ、外国語大学を卒業後に渡米。現地の高校で日本語教師を務めたのち、27歳で結婚。帰国後に一男一女をもうけ、梅田で服飾雑貨店を経営していた異色のキャリアの持ち主である。産後ドゥーラとして活動する彼女の話から、母親達の煩悶が見えてきた。

次ページ 「社会問題化する“産後うつ” “ワンオペ育児”」へ続く