次のテーマは、「Twitch」という、ライブ映像配信のサービス。このTwitchも利用が増加しており、その理由はいわゆる「ゲーム実況」であることが紹介されました。Dougさんによると、「ゲーム実況」が人気を集めるのは、どんなゲームかの紹介や、プレイヤーが披露する技の巧みさよりも、視聴者同士、つまりゲームファン同士が「ゲーム実況」のプラットフォームでつながることにその理由があるのだそうです。
そこに集まっている人と何をする?
急速にユーザーを集めているオンラインサービス4社に共通することは、「“メディア”は利用者同士をつなげる働きがあり、利用者もそれを望んでいる」という、従来から変わらない人間の性質に目を向けていることでした。新型コロナウイルス感染症の拡大によって“メディア”が大きく変わるわけではなかったのです。
今回のこのセッションで取り上げられた各メディアには、ユーザーに参加したいと思わせ、実際に参加できる、双方向性に特徴があります。そしてコロナ禍において、「ユーザーが参加でき、他のユーザーとつながれる」ということの重要性が浮き彫りとなりました。つまり、〔単に広告を見せるための〕メディア選択という文脈ではなく、そこに集まっている人と何を行うのかという視点も、今後の広告主のマーケティングにおいては重要な要素となるかもしれません。そして、利用者がメディアをどのように利用しているか、また、その価値を把握することで、メディアを活用したマーケティングも正しく評価でき、成長させられるのではないかと思います。
コロナ禍という苦境の中、明るい、元気なメディアの方たちの会話はとても学びが多いものでした。そして、コロナ禍でもメディア事業は成長させられたいう事例に、とても勇気づけられたことも付け加えます。
来年こそは、ぜひともオースティンで、リアルに開催され、日本人である私たちも、ワクチン接種が完了した状態で、参加したいものです。この記事に興味を持った方は、ぜひともYouTubeに多くのコンテンツが公開されているので、参考にしていただき、来年のSXSWにも注目してみてください。
マーケティングサイエンスラボ
代表取締役
本間 充 氏
ほんま・みつる/1992年大手消費財メーカーに入社。以後、Webエンジニア、デジタル・マーケティングを経験。2015年に、アビームコンサルティング入社。多くの企業のマーケティングのデジタル化を支援している。ほかにビジネスブレークスルー大学でのマーケティングの講師、東京大学大学院数理科学研究科客員教授(数学)、文部科学省数学イノベーション委員なども勤め、産業・科学の両発展に貢献している。
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