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購入時に思い浮かべるブランドは2ブランド以下?

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調査背景・概要

コモディティ化が進み、業種・業界・規模問わずブランドを中心においてマーケティングを考える企業が増えてきている中でブランドの管理方法に課題を感じている企業も多いと感じています。弊社はブランドが生活者に浸透することが”売れ続ける仕組みづくり”=マーケティングと考えており生活者にどの程度ブランドが浸透しているかを測定する為、早稲田大学の恩藏直人教授と共にEvoked Set共同研究プロジェクトを発足しました。プロジェクトで実施した調査事例をご紹介します。

Evoked Set共同研究プロジェクト

 
購入時に思い浮かべるブランドは2ブランド以下

生活者はカテゴリー内での購買を検討する際、無意識的にブランドを想起しています。ただし、カテゴリー内で想起されるブランドの数は平均して2個以下という結果がネオマーケティングのエボークトセット調査で分かりました。

下記の表は各カテゴリー別にみた「知名集合(思い浮かべるブランド)」「想起集合(購入時に思い浮かべるブランド)」「推奨集合(お勧めしたいブランド)」の平均ブランド想起数となっております。カテゴリー内でのトップ2以内に入ることは購入されるブランドとして重要ということがわかります。一方で数多くのブランドが混在する中でトップ2を取ることは時間もコストもかかり、ブランドの成長戦略として課題が多いのも事実です。

 
ブランドカテゴリー戦略

ブランドの成長戦略の1つとして既存カテゴリーのトップを狙うのではなく、新たなカテゴリー内でのトップを取り育成しようと考える企業が増えています。下図は自動車(カテゴリー)調査した結果となります。

自動車の想起集合(購入時に思い浮かべるブランド)を見ると、トヨタが圧倒的にカテゴリートップを取っていることがわかります。また、三菱自動車は知名集合と比較して想起集合が少ないことが特徴的で、想起集合に入らない理由を解明するか新たなカテゴリートップを狙う戦略が適していると考えられます。下図は同様の調査方法で電気自動車(新たなカテゴリー)をテーマとした調査結果です。

電気自動車では、想起集合でみるとトヨタがトップであるものの日産自動車が2位に浮上しトヨタと近似値になっています。自動車カテゴリーでは出てこなかったテスラも5位につけており、10位だった三菱自動車は4位に位置しています。このように既存のカテゴリートップを狙うだけではなく、新たなカテゴリーをつくり成長させていくことが成長戦略上重要な手段となっています。

新たなカテゴリーの発見と育成

新たなカテゴリーを見つける手段としては、機能的な価値・情緒的な価値・デモグラフィック属性・価格(一般・プレミアム)などで新たなカテゴリーを作ることも考えられます。また、自社のブランドが選ばれている理由を把握し、選ばれている理由をエントリーポイントとして、コミュニケーションすることで生活者が購入する際に想起されるブランドに育成する手段も考えられます。

機能性ヨーグルトの想起理由をご紹介します。
※下図は第一想起した理由をユーザーローカル テキストマイニングツールで分析した結果となります。

「明治プロビオヨーグルトR-1」の想起理由(n=261)

「森永ビヒダス」の想起理由(n=104)

「明治プロビオヨーグルトLG21」の想起理由(n=63)

明治R-1ヨーグルトは、免疫力を高めることへの期待、森永ビヒダスはビフィズス菌自体の摂取、明治プロビオヨーグルトLG21ではピロリ菌への対策への期待が理由として目立っています。R-1ヨーグルトは「強さ引き出す乳酸菌」をベースにマーケティング活動を行っており、免疫力を上げたいと思った際にも想起されやすいブランドとなっていると考えられビヒダスはビフィズス菌を摂取したいと思った場合に想起されやすいブランドとなっています。

ヨーグルトカテゴリーにおいて、免疫力向上自体が注目されれば明治R-1ヨーグルトは優位な立場に立ちやすくなりビフィズス菌注目度が改めて増すことで森永ビヒダスは売上シェアが伸びる可能性があり、ピロリ菌対策の注目度が高まれば明治プロビオヨーグルトLG21の売上が伸びる可能性があります。

まとめ

成熟市場の中、既存カテゴリー単体での成長は難しく、新たなカテゴリーをつくり・拡大することが重要なマーケティング施策となります。まずは自社ブランドが生活者のマインドシェアをどの程度取れているかを測定することから始めてみてはいかがでしょうか。

エボークトセット調査
Awareness Set(知名集合)=思い浮かぶブランド
Evoked Set(想起集合)=購入・利用時において、思い浮かぶブランド
Recommend Set(推奨集合)=勧めるブランド
を組み合わせ、さらに第一想起に関しては理由を聴取しブランディング活動を測定する調査スキームです。

お問い合わせ
株式会社ネオマーケティング マーケティンググループ
東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル

TEL:03-6328-2881
MAIL:imaizumi@neo-m.jp
URL:https://neo-m.jp/research-service/evoked_survey/