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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

インターネットで「メディア」は生き残れるのか? JICDAQに取材して考えた

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良くなるための努力をみんながすれば、メディアは人々に求められるはず

こうした取り組みが進んでいっても、もちろん参加しない広告主やメディアも残るでしょう。そういう人たちは、グレーというかブラックというか、そんな企業のはずです。むしろブラックだからこそ、認証なんか気にも留めない。でも、もともとそういう事業者もマスメディア時代からいたわけですよね。後ろ暗い領域でこっそりチラシを撒いたりしていた。そういう「区別」があったのです。ネットによって一旦その境目が曖昧になりゴチャゴチャになってしまった。ブランドセーフティの原因の大半がそこにありました。区別されれば、すっきり整理されて気持ちよくメディアに接することができるのではないでしょうか。

そして、広告単価も上がるはずです。JICDAQの作業はある意味、ホワイトリストの塊ができることになります。認証を受けているメディアは数が限られるので、単価は上がるはずなのです。「ネットは儲からない」と長らく言われてきました。その原因は、ほぼ広告単価が低かったからだし、日本の市場は海外に比べてさらに低いらしい。それが改善されるかもしれません。良質なコンテンツを制作する良質なメディアの広告には、そのコンテンツ価値に見合った価格がつく。そんな環境になっていけば、こんなにいいことはありません。そう簡単ではないのでしょうけど、方向性としてはそっちに進むはずだと私は考えています。

「ネットは儲からない」というのは、これまでのネット市場がそうだったという話ではないでしょうか。儲かる場に変えていくには、「区別」を踏まえて良質なコンテンツをつくり続ける、それが最低条件だと思うのです。

マスメディア時代からネットを核にする時代へいま、大きく反転しようとしています。その変わり目がいまだとしたら、これからは良くなる。方向性としてそうなるから、ではなく、良くなるための努力をみんながしていくから。これからもメディアやコンテンツは人びとが求めるはず。求められるものは、それに合った形で残るのだと私は考えています。

ただ、それだけでもないでしょう。メディアの立ち方を変えなければ、というのもあります。それはまた別の機会に書きたいと思います。