コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

インターネットで「メディア」は生き残れるのか? JICDAQに取材して考えた

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まずはアドフラウドとブランドセーフティの2分野に注力

では、この日本ABC協会による検証はどんな作業なのでしょうか。そのメディアのサイトをいちいちチェックして回るとしたら大変です。でもこの検証はそういう作業ではないのです。申請した企業に対してヒアリングを行なうのだそうです。業務プロセスのチェックをするわけです。特に営業部門に対して審査部門がしっかり牽制できているか。営業部門としては儲かった方がいい、となると広告受注をどんどん受けようとする。ヘタをすると、ブランドセーフティは置いといて、となりかねない。これに対して、社内の別の部門がはっきりと「それはダメです」と牽制できるかどうか。そしてそうしたプロセスをきちんと書面に残しているかも問われるでしょう。植村氏は「ISO認証の作業と似ています」と言ってました。

現在JICDAQが認証するのはアドフラウド(正確には無効トラフィック対策)とブランドセーフティの2分野です。ネット広告の問題点として広告主がもっとも気にするのがこの2つ。広告費が無駄に費やされたり、ブランドを損ねないよう、チェックしていくわけです。認証を受けると認証マークを受け取ります。これをメディアのサイト内や名刺に表示して「私どもはJICDAQの認証を受けていますよ」と表明できます。

JICDAQの認証項目はこの2つだけでは終わりません。今後はさらにビューアビリティ、アドエクスペリエンス、広告審査にまで認証項目を広げていくことも構想にあるそうです。

最初に書いたように、最近の私の印象で言うと、不快な広告フォーマットを排除していくアドエクスペリエンスが大事ですね。広告フォーマットについても認証することになれば、不愉快な経験をしなくなるかもしれません。ただ、これはさらに大変でしょう。あらゆる広告フォーマットを検証し、これはありだがこれはなし、と詰めていくことになる。新しいフォーマットが登場したらそれも新たに認証対象にしなければならない。

でもこれが着地すると、不快な広告フォーマットがぐんと減りそうです。読者側も「こんなおかしな広告フォーマットはJICDAQが認証してるんですか?」と詰め寄ることもできる。まあそんな面倒なこと考えるのは私くらいでしょうけど、読者にとってメリットだと思います。

そこまでに達するのはどれくらいかかりますか?と小出氏にお聞きしました。「できるだけ早く達成できるようがんばります!」と力強くおっしゃってました。でも何年かはかかるでしょう。それもこれも、まず広告主側がこの仕組みを理解して参加してくれて、それに応じて事業者やメディアが参加するかどうかにかかっています。これを読んでいるみなさんも、うちの会社は参加しているのかな、と気にしてみてください。

次ページ 「良くなるための努力をみんながすれば、メディアは人々に求められるはず」へ続く

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