コラム

48歳のピボット・ターン 〜広告会社のCDが、テックベンチャーに入ったら〜

半分素人、半分玄人のススメ。

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自分のスキルを押し通すのではなく、違いを見つめる

SmartNewsのワクチンマップの画面。京都の両親のために予約できる病院を探した(予約可否状況は変動します)

僕のように24年広告クリエイティブを手がけるというのは長いとしても、10年本気でやれば(1万時間という説もある)、コピーライティングであれ、グラフィックデザインであれ、マーケティングであれ、PRであれ、デジタル広告であれ、ひとつのスキルが身についているはずだ。今のように、先の分からない変化の時代には、スキルを複数化させ、ハイブリッド化していくほうがリスクが少ないとも言える。そしてリスクが少ないどころか、たとえばコピーライターもPRプラナーもそれぞれたくさんいるかもしれないが、コピーが書けてPRができる人となると急に希少価値が出てくる。

たとえば、広告会社の中にはさまざまな部署や職種があり、さまざまなスキルを身に付けられる環境がある。そしてたとえば、僕のようにクライアント側に移るという手もある。繰り返しになるが、その時に大事なことは、今までの自分のスキルを押し通すことではなく、新しい環境と今までの環境の違いをみつめ、違いを手に入れ、違いを意識的に使い分けられるようになることだと思う。

今の私は、企業広報という未知の世界を、自分のコピーライター・クリエイティブディレクターの経験を頼りにしながら、注意深く探索し、開拓することにやりがいを感じている。

新しいことと言えば、スマートニュースの広報として実名でTwitterをやっている(@voicewater)のだが、自社プロダクトで家族が助かった話をツイートしたら、ちょっとだけバズった(5月30日時点、847リツイート、1351いいね)。実家の両親が「ワクチンの集団接種の予約がとれない、あきらめて次回にする」と言うので、「スマートニュースのワクチンマップなら、予約できる病院がみつかるよ」と僕が探して、彼らに電話してもらったら、すぐ他の病院で予約がとれた、という話。

やはり、実話(FACT)がベースにあるから人は人に伝えたくなるんだなあ、とPRの基本を改めて感じたし、その根本はプロダクトの良さ以外の何ものでもない。そんなプロダクトが生まれる現場に立ち会えること、それが私がやりたかったことだ。

コラム冒頭の「なぜかスマートニュースの広報をしている」の話。「なぜか」の答えは、半分素人に戻りたかったから、かもしれない。スティーブ・ジョブズもStay Foolishといっていた。それって素人でいろ、ってことだよね。

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