コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(ユニクロUSA 武井祐治さん)後篇

share

コロナにより、ブランドの本質的な価値がますます問われるように

—そんなメンバーの皆さんとこれから取り組みたいことは何でしょうか?

コロナ禍が起き、改めて人生において大切なことを考え始めた人が多いと思っています。自分が選択すべき行動に対して、しっかり考えを持って判断する人が増えてくるはずです。そのため、「安いから」とか「広告で見たからなんとなく」など、衝動的にモノを買う機会が減っていくのではないでしょうか?
地球のことや環境のこと、社会のことを考えているか否かなど、自分が支持できるかどうかという視点でブランドの購買が進んでいくのではないかと感じています。そこで場当たり的にお客さまにこちらを向いてもらうための活動ではなく、本質的な価値を世の中に、お客さまに提示できるかに挑戦していきたいと思います。

—具体的にどのような活動をしているのでしょうか。

例えば、「エアリズムマスク」を学校の先生方に寄付したり、ホームレスの方に寄付したりといった活動は早くから取り組んでいます。

また最近では旗艦店の中にスペースを確保して、その付近のローカルのお店を紹介する活動をしています。例えばニューヨークの旗艦店であれば、SOHOのローカルのお店を紹介して、そのお店の集客につながるお手伝いができればと思っています。

旗艦店内でローカルのお店を紹介しているスペース。

街は少しずつ復活してきてはいますが、まだまだ閉まっているお店は多いです。また一時的な閉店ではなく、完全に店を畳んでしまっているところもあります。こうした状況で、コミュニティを再度活性化させるために、自分たちに何ができるのか、社会の一員としてできることを考えていきたいと思っています。

—アメリカにおけるユニクロのデジタルの取り組みについても教えてください。

コロナの影響もあり、サービス自体がますますデジタルで消費されるようになっていると感じています。ただし、やみくもにテクノロジーを取り入れるのではなく、ユニクロの価値はどこにあるのかを踏まえたうえで、その価値が最大限生かされるデジタルを取り込んだ最高のサービスを提供していきたいと思います。

ユニクロは店舗が強いですが、お店とデジタル、お店とECというような視点で、お店で提供できるサービス体験で、ECをサポートできるものは何か、お客さまの観点で両者を組み合わせたベストな体験は何か、どのような体験をつくるのがよいかを考えて実行していきたいと思います。

次ページ 「日本の価値観に縛られずに、アメリカの今を理解する」へ続く

Follow Us