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コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(ユニクロUSA 武井祐治さん)後篇

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ブランドとお客さまの2軸でディレクションしていく

—メンバーとはどのようにコミュニケーションをとっているのですか?

日本にいた時よりも、メンバーと議論する回数がすごく多くなったと感じています。日本ではどちらかと言えばディレクションが決まればそれに従っていく感じがありますが、アメリカは議論をしながら理解して進めていくというスタイルだからです。しかし、メンバーや他部門の意見を聞くことを意識しすぎると、ものごとが何も進まなくなる。実際、赴任した当初は議論が延々と続いてしまうことがたびたびありました。

最後はリーダーとしての判断を明確に出すことを意識しなければならないと認識し、ユニクロの考え方を元にしてメンバーの意見も踏まえて考えると、こういうディレクションになる、と自分の考えを伝えるようになりました。議論を経たうえでのディレクションであれば、メンバーは納得してしっかりと動いてくれる印象です。

—決断を下すときに指針としていることはありますか?

ユニクロとは何か? LifeWearとは何か? ユニクロの価値とは何であるか? を踏まえて判断をしています。現地のメンバーと比べて、自分はそのことを誰よりもわかっている。そこで、私たちがどのような思いで、ユニクロというブランドを提供しているのか、を伝えるように努力しています。

もちろん、それがお客さまから見たときにどのような価値として受け止められるのかも考えるようにしています。ですからブランドという軸とお客さまという軸の両軸を意識して決断していると言えると思います。

—他に意識していることはありますか?

グローバルヘッドクオーターから来た人間として、ユニクロをこのマーケットで成長させるのだという熱量を伝えることを意識しています。また、その機会をメンバーの成長につなげたいとも思っています。メンバーがユニクロのためだけでなく、いち職業人として豊かな人生を送れるようになるために、どれだけメンバーにコミットできるかを考えながら仕事をしています。

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