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編集部の枠を超えブランドをフル活用!デジタルシフトに挑む、小学館の戦略とは?

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出版社が提供できるソリューションが「広告枠」以外に広がることで、広告主が「雑誌に求めること」が明確に言語化できなくなっているいま、どのような対応が必要なのだろうか。
小学館 広告局 ゼネラルマネージャーの竹原 功氏に話を聞いた。

組織から「編集部」が消えたワケ 新たな潮流をかたちづくる

小学館では、早くからデジタル時代に対応できる組織づくりを行ってきました。その一環として、2017年の時点で女性誌担当の組織は「女性メディア局」と名称を変更し、編集部を「ブランド室」に変えました。

ブランド室長のもとには、雑誌担当編集長とデジタル担当編集長を置き、ここから雑誌とデジタルを両輪にした雑誌ブランドビジネスの本格始動が始まり、他の局にも広がっていきました。

もともと女性メディア局では、これまで雑誌づくりで培ってきた知見やノウハウを集結し、女性の価値観や趣味嗜好に一歩踏み込んだ洞察を行い、企業とのコラボ商品の開発や、編集部横断型のイベント開催などを行っていました。「雑誌ブランド」におけるコンテンツのすべてを生かして企画をし、実行するようになっていったのです。そして事業運営にもチャレンジを始めました。

その象徴的な例ともいえるのが、2016年当時『CanCam』が仕掛けた東京プリンスホテルとのナイトプール企画です。空間のプロデュースから宿泊プランの提案、オリジナルメニューの開発にも携わりました。

そしてこの頃に巷に生まれた言葉「インスタ映え」の、2017年流行語大賞贈賞式には、CanCam読者モデルが代表して招かれることになりました。編集部の意識を変えたコンテンツ開発が、こうした一大潮流を後押しすることにつながったのです。

また、『DIME』『BE-PAL』『サライ』のライフスタイル局も2018年に「ライフスタイルブランドスタジオ」を立ち上げ、多くの実績を残しています。

現在では、編集部が雑誌の枠にとらわれなくなったことで、クライアントからの相談内容も多種多様なものになってきました。特に、広告出稿を決定する前段の“具体化していない悩み”をお聞きすることが増えています。そのような場合でも、当社の営業はプロデューサー的な動きができるのです。弊社の広告局では、営業もデジタル担当も雑誌担当も進行担当もみな同じフロアにいます。

まず担当の営業にご相談いただければ、すぐに対応します。雑誌のジャンルにとらわれず、あらゆるリソースを使ったソリューションを提案することができるのです。クライアントや広告会社の皆さんには、課題が生じたらとにかく気軽に声をかけていただきたいと思っています。

この先どれほどデジタルシフトが進んでも、雑誌ブランドビジネスにおいては、読者、言い換えれば生活者をしっかり見つめることの重要性は変わりません。そこさえブレなければ、イベント開催やカスタム出版など、雑誌を基点とした多様なビジネスが展開可能です。

今後も、ファッションやライフスタイルはもちろん教育分野まで、総合出版社ならではの豊富なリソースのかけ合わせによって、新たなコンテンツを提案していきます。

小学館
広告局 ゼネラルマネージャー
竹原 功 氏