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コラム

i(アイ)トレンド

2015年のマーケティングのトレンドを占う

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2015年の3つのマーケティングトレンド

これらを踏まえ、2015年のトレンドには、(1)マーケティング4.0の進行、(2)コンテンツ、インバウンド、MAを集約する次世代オウンドメディアの登場、そして(3)デジタルツールの導入から運用・活用へ、を挙げたい。

(1)すべてを包括する“マーケティング4.0の進行”

筆者が何より注目しているのは9月に行われたワールド・マーケティング・サミットでマーケティングの父フィリップ・コトラー教授が提唱したマーケティング4.0の進化である。以前のコラム 「ad:tech Tokyo/World Marketing Summitから見えてきたマーケティングの新潮流」で詳しい内容は参照いただきたい。要点を整理すると以下のようになる:マーケティングの進化は人間の欲求を5段階に分けたマズローの自己実現理論での欲求段階説に例えたものでまさに的を射ていると考えている。マーケティング1.0~3.0までに関しては長くなるので割愛するが、必要があれば以前のコラムを参照いただきたい。

マーケティング4.0は消費者の自己実現を掴むことでありマズローの第五段階“自己実現の欲求”に該当する。消費者はその商品の開発や改良、告知等発売に至る過程に自ら参画することにより、商品を通じた自己実現を達成できるのである。例としては最近出てきたEC型クラウドファンディングなどは顧客見込者が自ら製品を実現する資金を提供したり、ネスレアンバサダーは商品の普及に消費者が直接関与するモデルとなっている。

そして筆者がなぜマーケティング4.0がすべてを包括すると言っているかという理由は、4.0は単独では成立せず、1.0は絶対必要条件、2.0、3.0に関しても必要条件に近いということが挙げられる。裏を返していうと4.0は1.0、2.0、3.0の上に成り立っており、マーケティング4.0を目指すという目的をあげた場合に、1.0、2.0、3.0もきちんと見ないといけない、あるいは4.0に至る過程で必然的に1.0、2.0、3.0も整備されてゆくということが言える。

すべての企業はマーケティング4.0を目指すことにより現在の自分のマーケティングがどの段階にあり、4.0の実現のためにすべき事は何か、それに必要な資源やツールは何かといったことが考えられるのである。そしてマーケティング4.0の実現のためにはデジタルは必要不可欠である。というよりデジタル技術の進歩が低コストでのマーケティング4.0の実現を可能としたと言えるであろう。ツールやメディア、コンテンツの潮流もあると思うのであるが、すべては4.0を実現するための手段として捉えることが可能になると筆者は考えている。

マーケティング4.0に関しては筆者がこのコラムをきっかけに研究会を立ち上げ、すでに600人を超える参加者に登録いただいている。定期的に会合を開いて情報交換なども行っているのでご興味のある方は是非、こちらからご参加いただきたい。

次ページ 「(2)コンテンツ、インバウンド、MAを集約する次世代オウンドメディアの登場」へ続く