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コラム

「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】

電通・CMプランナー9年目の佐藤雄介に聞いてみた「これからテレビCMができることって、何だろう?」

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【前回のコラム】「LINE田端信太郎に聞いてみた「スマホ企業の人から見て、テレビのビジネスモデル、どこが変ですか?」」はこちら

気鋭のクリエイターやメディア業界の人たちは、今とこれからの広告やメディアについてどう考えているの? ACCならではの視点で、これからの広告のカタチについてお聞きしていくシリーズ企画「ACCプレミアムトーク」。今回は、学生時代にACC学生コンクールでラジオ大賞を受賞後、電通に入社し、現在、日清カップヌードル他、話題のCMを多数手掛けておられる気鋭のCMプランナー・佐藤雄介さんにテレビCMの未来について話を伺いました。

(聞き手・文:博報堂ケトル 原利彦)

——初めまして。本日はよろしくお願いします。

佐藤さんは、学生時代にACC学生コンクールの大賞を受賞し、その後電通に入社、きっちりクリエイティブ職に配属された後、2013年にはACCヤングコンペティション日本代表としてカンヌに派遣されフィルム部門のブロンズを受賞→現在に至ると、もう経歴だけ見たら、清々しいまでの見事なプロフィールですね(笑)。ちなみに今、何年目なんですか?

電通 佐藤雄介 氏

佐藤:入社9年目です。ぜんぜん清々しくないです、生きていくので精一杯です(笑)。

——ACCの学生コンクールに応募するということは、学生時代から広告業界志望だったんですね。

佐藤:実は僕、高校生の時から広告業界志望だったんですよ。

——はやっ!普通、高校生が電通とか博報堂の存在自体知りませんよ。それはまた、何をきっかけに?

佐藤:高校時代って、遅れてきた中二病じゃないですけど「将来、何だかサラリーマンにはなりたくないな・・・」みたいな、根拠なくこじらせちゃってる時期、ありますよね。僕がまんま、それだったんですよ(笑)。そもそもサラリーマンが何かすら、わかってないのに。

そんな時に、僕の周りにたまたま、すごい早熟な子がいて、そいつが教えてくれたんですよね。「電通っていう、何だかよくわからないけど、いろいろ仕切っている会社があるらしいぞ」と。しかも、そいつはタグボートすら知っていて、僕にいろいろ情報を教えてくれるわけですよ。

——その頃と言えば、ちょうど岡康道さんが電通から独立し、タグボートを立ち上げたばかりの時期ですね。

佐藤:そう。ただ、僕は高校生だし、そもそも広告業界なんて興味ないじゃないですか。ですが、当時、ミュージシャンのPVをたまたま観ていたら、そのPVを企画していたのがタグボートだったり澤本(嘉光)さんだったりしたんですよね。

今考えると、その頃って、ちょうど広告クリエイターがミュージシャンのPVを作るのが流行っていた時期ですね。

それを観た高校生の僕は、「広告クリエイターってこんなに自由なことができるんだ!」と。こりゃよさそうだな、と。

「俺は映像つくって生きるんだ。絶対もう、大企業なんかに入らないぞ!」と。

——そして今、きっちり電通に入っているという(笑)。

佐藤:結果、サラリーマンになりました(笑)。

最初はもっとものづくりのアウトプットに近い、映像つくる制作会社に入りたいと思っていたのですが、大学でいろいろ調べているうちに、自分は企画が向いてるなと。それなら広告会社のほうがいいぞ、ということがわかりました。それで、ACCの学生コンクールに応募したりしちゃったりして。そういう意味では、学生時代から、割と明確にCMプランナーを目指していました。へんなやつです。

——それで、電通に入ってからはどうですか?当初のイメージと違う部分はなかったですか?

佐藤:これが僕、最初の一年間は営業に配属だったんですよ。そこでまあ、震えましたね。とりあえず、一カ月で一生分は怒られました。

——はい、なんとなくイメージできます(笑)。

佐藤:でも、これが嘘じゃなく本当に良い経験だったと思っているんです。ムチャクチャ怒られましたけど、人にすごい恵まれたというか。その一年間で、広告ビジネスの全体像を叩き込んでいただいたことは、今につながる良い経験だったと思います。

——なるほど。それで現在、佐藤さんは入社9年目にして、最前線で活躍するCMプランナーとなっておられるわけですが、現在のお仕事の状況についてはいかがですか?

佐藤:おかげさまで忙しい日々を過ごさせていただいております。入社数年間は、実績もスキルもないので、どうしてもアウトプットが思うようにいかなかったり、アイデアどまりで終わっちゃったりが多かったのですが、最近、やっと自分も「いいな」と思って、世の中も「おっ」って反応する表現が、クライアントと一緒につくれるようになりました。

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