新 岳志(コピーライター/高知新聞広告賞最優秀賞受賞。2005年基礎コース、文章力養成講座、2006年専門コース小西クラス、上級コース、2010年専門コース谷山・井村・吉岡・照井クラスを修了)
もしかして年齢も書いたほうが、参考になりますかね。1980年生まれです。松坂・広末世代。今回は、メーカーで働きながら講座に通っていたころのことを書きますね。会社員篇のテーマソングは、フジファブリックの『虹』です。
自分が書けない側の人間だってことがわかった。
講座は、ほとんど毎回、おもしろかったです。「コピーで、そんな風に世の中を動かせるんだ!」「コピーって、カッコいいだけの言葉じゃないんだ!」という感じで、広告やコピーの裏側にある世界を、いろいろ見せてもらえた。なかでも、課題に取り組む実践型の授業。コピーを書いたり、ほかの人のコピーを見ることが、とにかく楽しかった。そんなこんなで、講座が終わるころには、すっかりコピーの虜になってました。
まあ、評価はぜんぜんダメだったんですけどね。最後までずっと、低空飛行のまま。成績上位者だけがもらえる『金の鉛筆賞』も、半年で2回くらいしかもらえませんでしたし。でも、自分が書けない側の人間だってことがわかったのは、よかった。
それと、この講座では、ホントいい仲間に恵まれまして。どっちかと言うと、仲間との出会いのほうが、講座内容よりも重要だった(ごめんなさい、宣伝会議の方々)。同じ目標を持つ気の合う仲間と一緒にいるのは、本当に楽しかったし、心強かった。講座の日は、表参道の激安居酒屋『うどんすき中西』で、必ず朝まで飲み明かしてました。彼らがいなかったら、ぼくはたぶん、コピーライターにはなってなかった。
毎日ひたすらコピーを書く生活に。
『基礎コース』を修了したあとは、すぐに『文章力養成講座』に通いました。半ば、強制的に。そうしないと、盛り上がった気持ちが萎えてしまいそうで。さらに同時期、WEB上のコピー講座にも複数参戦し、毎日ひたすらコピーを書く生活に突入していきます。
ちょうど半年くらいだと思うんですけど、ホント毎日、書きまくりました。すると、書いているなかに、たまにヒットが混ざるようになった(講師の方に言われるまで、ヒットだとはわからないことも多かったですけど)。そのうちに、気持ちにも変化が起きて、「もしかしたら、本当にコピーライターになれるかも」と思い始めた。手が届かないこともないんじゃないかって。やっぱり、人間、迷ったら行動あるのみですね。行動して、いろいろ実感すると、気持ちが整ってくる。
そのあと、ソッコーで会社に辞表を提出しました。「5年後もこの会社で働いているなんて、ぜったいに有り得ない。だったら、1日でも早く辞めないと時間の無駄だな」と思ったのと、ジーコがワールドカップ本大会のメンバーに、ぼくと同い年の巻誠一郎を選んだのが重なって、ヘンに勢いがついちゃったのでした。
※巻は、決して上手な選手ではありませんでした。でも、走る、飛ぶ、当たる、といった、気持ちが大きく影響するプレーに関しては、誰よりも信頼できた。ジーコは、巻のそういうところを買ったんでしょう。強い気持ちをもっていれば、きっと勝ち残れる。そう信じさせてくれた巻に感謝です。
こんな感じで、第三回もつづきます。
新 岳志(あたらし たけし)
コピーライター。
東京農工大学工学部卒業。電車メーカーのメカエンジニア職を経て、現在は博報堂プロダクツ所属。プロモーショナル・マーケター資格所持。高知新聞広告賞最優秀賞受賞。
2005年基礎コース、文章力養成講座、2006年専門コース小西クラス、上級コース、2010年専門コース谷山・井村・吉岡・照井クラスを修了。
【「コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー】
- 「内向きは、無知につながっている」(9/24)
- 異業種からコピーライターに転職した話【新人篇】(7/1)
- 異業種からコピーライターに転職した話【フリーター篇】(6/24)
- 異業種からコピーライターに転職した話【学生篇】(6/10)
- 2013年5月 古屋彰一「地方での広告づくり」
- 2013年4月 日野原良行「打席はそこらじゅうにある」
- 2013年3月 竹田芳幸「ありがとう。大石さんと石田さん(コピーライターになる編)」
- 2013年1月 平野慎也「25歳、新人コピーライターのリアル。」
- 2012年12月 室山加奈子「Webディレクター、コピーを学ぶ」
- 2012年11月 小野勇樹「いちデザイナーが感じる、言葉の大切さ。」
- 2012年10月 貝洲岳洋「(極私的)広告セレンディピティ(1)」
- 2012年9月 林潤一郎「よく考えない。」
- 2012年8月 小林麻衣子「女子力」より「おっさん力」
- 2012年7月 杉山元規「悩める29歳(1)」
- 2012年6月 栗栖周輔「学歴なし、職歴なしで広告業界に入るには」
『コピーライター養成講座』
講師は一流のコピーライターが直接指導 プロを育てる実践型カリキュラム
いまでも多くの有名クリエイターを輩出している本講座。幾度かの改変を経て、内容を一新。コピーやCMといった、広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。
「コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー
- 広告制作の実績・経験が得られる講座-コピーライター養成講座卒業制作が天神地下街で掲出中!(2023/5/26)
- コピーライター養成講座の受講生が制作に参加したシェアサイクル車体広告が名古屋で登場(2023/4/18)
- 20年前に「コピーライター養成講座」で共に学んだ3人が今思うこと(2022/8/09)
- 勝手に作った1枚のポスターから、クリエイティブキャリアが始まった【後編】(2021/7/08)
- 勝手に作った1枚のポスターから、クリエイティブキャリアが始まった【前編】(2021/7/07)
- アートディレクターがコピーを学んだ理由(2021/3/31)
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- 後悔しないためのコピーライター養成講座の通い方(2020/12/14)
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