メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

楽天大学学長が語る「EC温故知新」

なぜ国内1店舗だった洗車用品店が、数年で8ヵ国300店舗を超えたのか?

share

世界への第一歩のきっかけは、楽天市場のランキングに載ったこと

2005年のこと、中国の企業から「洗車の王国の製品を中国で販売したい」という連絡が入りました。楽天市場のランキングからお店の存在を知り、コンタクトしてきたのでした。
それを機に話がトントン拍子に進んで、2006年には中国にフランチャイズとして「洗車の王国」1号店がオープンします。

相原さんは、中国でも「洗車は安全運転につながる」という話をしました。最初のうちは、ピンとくる人はほとんどいませんでした。それでも話し続けました。

あるフランチャイズ店のオープン式で、いつものように「洗車は安全運転につながる」という話をした後のこと。お店の前の道路が工事中で水溜りだらけだったのですが、来店したポルシェのお客さんが水溜りの水を跳ね上げて勢いよく走ってきました。それが、洗車をした後、「ありがとうございました!」と送り出すと、そのポルシェのお客さんは、水溜りを避けてゆっくりゆっくり走って行ったのです。それをちょうど店の前で見ていたフランチャイズ店のオーナーが、「ホントだね~」と感心したのでした。

また、相原さんが中国の自動車行政の高官と会食をしたときのこと。相原さんが、「最近、日本では交通事故が減ってきたんです。それは、飲酒運転や違法駐車の取締りが厳しくなったことが要因と言われていますが、実は違います。洗車の王国の製品が売れれば売れるほど事故が減るんです。だって、みんな車をキレイにすれば自然と安全運転になるものでしょ」と話すと、会場は笑いに包まれました。

しかし、その高官が帰り際に相原さんのところへ来て、「確かに同感だ。洗車の王国のビジネスには協力したい」と言いました。その政府高官は、今でも相原さんのことを覚えていて、声をかけてくれるのだといいます。

SENSYA Summit の開催へ

その後も海外での活動は広がり、現在8ヵ国(中国、韓国、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ)で300店舗を超えています。

さらに、パートナー同士の横のつながりも盛んになりつつあり、実際にお互いの強みを活かして、貿易も始まりました。ほかにもオファーがかかって訪問が決まっている国は、7ヶ国(インド、フランス、ドイツ、コロンビア、ブラジル、アルゼンチン)。これらの国からのオファーのいくつかは、現在活動中の国のパートナーの友人などからによるもので、「SENSYA Family に参加したい」という内容だといいます。

「今後は、年に一度はどこかの国に集まって、【SENSYA Summit】を開くことになっています」(相原社長)

【SENSYA】という言葉が出てきましたが、「洗車の王国」では、単に車を洗う「Car wash」ではなく、車を大切にすることが安全運転につながる文化として【SENSYA】を世界に広めようとしているのです。実際、その想いを共有する【SENSYA Family】が世界中に自然な形で増えてきています。

≫次ページ 「私が大切だと思うのは次の3つ」