「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」刊行記念 特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(1)


【連載】「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」――福里真一
1、はじめに
2、第1回「電信柱の陰からおずおずと語りはじめる」
3、第2回「幼稚園では藤棚の柱の陰だった」
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(1) ー こちらの記事です。
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(2)
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(3)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(1)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(2)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(3)

髙﨑さんはナチュラルボーンうまくいく人

髙﨑 福里さんが自分をそういうキャラと公言し始めたのって、いつからですか?「BOSS」でTCCのグランプリをとった時、はっきりとオフィシャルの場で、そう発言したのを覚えているんですが。

福里 2007年ですか。そうですね、あの受賞スピーチが一番はっきりした瞬間ですかね。でも、そういうことを言うようになったら「福里真一は相当、気難しい人だ」と思ってしまっている人がいるようで…。初めて会う人が、なんというか身構えているというか、めんどくさそうにしているというか。そんなことが増えている気がするので、プラスマイナスでどっちになっているのかはわからないですけど。
ところで髙﨑さんは実際には、怖い人なんですよね?

髙﨑 いや。見境いなく怖い人なわけじゃないですよ!

福里 そりゃ、そうでしょうね。

髙﨑 草野球とかやっていて、外野で全員がボール拾いに行ったりする…みたいな仕事をしていると、怒ったりしますけど。企画ってすごく弱いものだと思っているから、後々マイナスに作用しそうなことを見つけると、敏感に反応しちゃうんだと思います。気が弱いから人より先に何かを察知しちゃってそれで怒るだけだと思います。

福里 それでも髙﨑さんは、人気をなくさないですよね。

髙﨑 そうですかね……。僕、クライアントにもあんまり感情を隠さないかもしれません。で、「ああ、やっちゃった…」とか思うんですけど、でも後で「そこまで、うちの商品のことを考えてくれていたなんて。ありがとうございます!」みたいな結果になることが多いかもしれないです。

福里 はい、はい、はい。そっち系ですね。僕が一番もっていない能力をもっているんですね。人間力系ですね。

髙﨑 昔、決していい意味ではなく、「髙﨑は“金八力”がある」と言われてました(笑)。

福里 いやいや、髙﨑さんは「ナチュラルボーンうまくいく人」なんですよ。反対に、僕はいまそれなりに仕事が成立しているのがむしろ奇跡で、基本的には「なにやってもうまくいかない人」なんですよ。企画を考えた後、それを形にしていくプロセスというか、人を説得するとか交渉するとか、ましてや怒るとか、そういうのが全部苦手なんですよね。逆に言うと、むしろ説得したり、怒ったりしなければいけないくらいなら、企画を変えますというそっち系なんですよ。

≫次ページに続く



【連載】「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」――福里真一
1、はじめに
2、第1回「電信柱の陰からおずおずと語りはじめる」
3、第2回「幼稚園では藤棚の柱の陰だった」
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