「街歩き×謎解き」は相性抜群!地域活性化・観光PRに成功した事例まとめ

【前回のコラム】「米国や台湾にも進出!「エヴァ」タイアップ謎解きの裏側」はこちら

<アドタイの謎4>

nazo4

いかがでしょうか。
読めそうで読めない、最初に見た時にちょっとしたストレスを感じますね。
文字の要素と、ジグソーパズルを組み合わせたタイプで、頭のなかだけで考えるよりも、手を動かしたほうが早いかもしれません。

コラムの最後に、この謎の解答と、次の謎を掲載しておきます。

ネットやモバイルとの相性も良い「街歩き」謎解き

さて、今回は、前々回のコラムでご紹介した「謎解きイベント4パターン」のうち、「街歩き型」の謎解きイベントを、タイアップやプロモーションという視点で考察します。

街歩き型は、屋外が舞台であり、街なかを実際に移動して 謎を解いてくタイプのイベントです。「公演型」や「回遊型」との違いは、区切りのない屋外を移動するという点にあります。

当然無関係の人がたくさんいます。
雨や雪が降ることもあります。
そんななか、謎を解き、出てきた場所に向かい、次の謎を考えるわけです。

これは、非日常体験や、物語への没入感を演出することは難しいのですが、観光や誘客効果という点ではとても有効です。

観光名所やスポットにチェックポイントを設け、そこに謎を掲示したり、スタッフを配置したりして、参加者を各所に回らせます。

いわば、スタンプラリーに謎を付け加えたようなものです。
単なるスタンプラリーに比べて、参加者のモチベーションは上がります。
中には、ゆるキャラを絡め、知名度向上を狙ったものもありました。

街なかには、普段見過ごしがちな いろいろな「不思議」があります。
モニュメントや看板はもちろん、よく観察すると番号やデザインなど、多くの情報があふれています。
それらを上手に活用して謎と組み合わせると、参加者は多くの発見をすることになります。
この「発見」により、好感度が上がるとともに、その土地ごとの強い印象を与えることができます。
このあたりもスタンプラリーにはない特徴と言えるでしょう。

観光以外にも、アニメや小説とのタイアップの街歩きイベントも多数開催されています。

物語性を演出するのは難しいと前述しましたが、たとえば「スパイとしてのミッションを与えられ、一般人に気付かれないように機密文書を入手せよ」というようなシチュエーションでは、街なかを歩きまわることは、かえって物語への没入感を増幅させる効果を持ちます。

また、ネットや携帯アプリとの連携とも相性がよく、あらかじめインターネットで謎を出題し、最終的には指定された場所に行かなくてはクリアできないようなイベントも多く開催されています。

ではいくつかの事例を紹介しつつ、観光やプロモーションにどう活かせるかを見て行きましょう。

次ページ 「閑散期の冬の川越で「謎解きミステリー」体験」に続く

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南 晃(謎作家)
南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

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