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コラム

右脳と左脳の間のほじって食うとこ

まったく甲斐性のない男が会社を立て直そうとした話

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一方そのころ、ぼくは猛烈に鬱だった。
んもう人のことなんか構ってられない状況だった。

「新型うつ」という病気がある。都合の悪いときだけ気分が沈み込むのだが、会社を休むとケロリとして元気に飲み会に参加したり、旅行ではじけまくっている写真をInstagramにアップし、周りから「こいつ本当に病気なのか」と思われる、仮病のような病気だ。

もともと「今日死んでも後悔しないくらい仕事する」がモットーなので、常に自分を鬱に近いところまで追い込むケがある。
このころは24時間吐き気がしていた。

仕事を抜けだしては、瞑想したり、ロウソクを額に乗せたり、ゴマ油を頭からぶっかける療法などを試したところ、なんとかすぐに復活した。

復帰して出社したら、会社は荒廃しきっていた。もうみんな顔色がおかしかった。
リアル北斗の拳かと。
ヨハネスブルグかここは、と。

もうダメか。
もともと、PARTYという思想が間違っていたのか?
日本のクリエイティブブティックで、組織立って成功している例があるか?シンガタも、タグボートも、少数精鋭ではないか。

いや、そんなことはない。
少なくとも、4人のクリエイティブディレクターだけの会社にするなら、5年で解散だ。というかフリーでやったほうがマシだ。
「才能のある人間たちがパーティーをつくる」形態だからこそ、この会社をつくった意義があるのだ。

本を読みあさった。

「社員を育てる」「経営者とはなんぞや」「理想の上司」「人を動かせ」といった、人材育成マニュアル本だ。
家の本棚にはこの類の本がズラーっと陳列された。

ひどく恥ずかしいが、いたしかたない。

さっそく、本に書いてあったことを実行に移した。
いくつかの施策はとても効果があった。

そして、驚くべきことに、効果があったプランは、
電通でぼくが無視しつづけたルールだった。

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