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コラム

PRの現実と理想の狭間でー業界歴23年、PRパーソンの試行錯誤ー

大切なのは購買喚起にまでつながるシナリオ設計—「壁ドンカフェ」に見る、自走コンテンツ

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メディアインサイト、ソーシャルインサイトを深掘りする

続いて、「メディアインサイト」や「ソーシャルインサイト」の視点でさらに掘り進めていきます。「女性にとって、とろける体験」につながるような情報が、メディアで何か取り上げられているか?ソーシャルメディアで何か兆しを感じられるものがないか?という視点で調査をしていきます。テレビの情報番組やワイドショー番組での取り上げられ方、雑誌やWEBニュースでの記事傾向を定量・定性両面の視点で分析します。またWEBニュースやテレビ番組などは、その情報がソーシャルメディアに波及しているのか。どのような跳ね方をしているかなども合わせて見ていき、インサイトを読み取るようにしています。
さらに、女性のライフスタイルに関するオピニオンリーダーにインタビュー調査なども行い、捉えたインサイトに可能性があるのか、どういったストーリーが伝わりやすいのか、メディアに取り上げられやすいのかを検証していきます。

プランニングをしたのは、半年前の4月くらいからでした。ちょうどこの時期、ソーシャルメディア上に「壁ドン」という言葉がよく見られるようになりました。女性のつぶやきや会話、漫画の話題の中に多くみられ、「壁ドンされたい!妄想中」などのコメントが目立っていました。調べていくと、ちょうど渡辺あゆさんの漫画「L❤DK」が剛力彩芽さんと山崎賢人さんの主演で映画化され、その公開に合わせて、「壁ドン」というワードが盛り上がっている状況でした。ほどよいWEBニュースを中心とするメディアでの取り上げとソーシャルメディアでの盛り上がり、まさに、女性に「とろける」体験をしてもらう良いヒントを見つけることができました。

オピニオンリーダーにインタビュー調査を行うと、「男性が弱くなってきている現代社会において、男性にもっと強気に出てほしいという欲求があるのかもしれません」というお話や「仕事では男性と同じくらい頑張る女性が増えているため、キュンとしたり、心がときめいたりするシチュエーションで癒されたいと考えているのかもしれない」などの見解を聞くことができました。
世の中の潮流としても「とろける体験をしたい女性」と「壁ドン」の可能性が見えてきたのです。

次ページ 「メディア、ソーシャルインサイトと商品のUSPを掛け合わせる」へ続く