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熱狂ファンはブランドに貢献する?「JAPAN CMO CLUB」が、次世代CMOとマーケティングの課題を議論

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2014年11月6日に発足し、5年目を迎える「JAPAN CMO CLUB」では、次世代CMOの育成と学びを提供する場として「CAMP TOKYO」を開催している。

「CAMP TOKYO」では、「JAPAN CMO CLUB」のメンバーが登壇してのディスカッションや参加者同士のネットワーキングの場を用意。「マーケターの集合知で日本に突き抜けた成長力を」というスローガンを掲げる、「JAPAN CMO CLUB」の方針を体現した企画のひとつである。

1月16日、3回目となる「CAMP TOKYO」が東京・TRUNKで開催になった。「JAPAN CMO CLUB」Founderの加藤希尊氏(セールスフォース・ドットコム マーケティング・ディレクター)は、「これまでの「CAMP TOKYO」での合計4回のパネルディスカッションの議論を踏まえ、今日は『新たな気づきがあること』『リアル・具体的であること』『適応・適用可能・再現性があること』の3点に注力してディスカッションを進めていきたい」と説明した。

ファンの熱狂を生み出す条件とは?

当日はランチの時間を挟み、2つのパネルディスカッションを実施。第1部のパネルディスカッションでは、「究極の熱狂ファンをつくるには」をテーマに、ニューバランス ジャパンにてDTC&マーケティング ディレクターを務める鈴木健氏とフェラーリ・ジャパン マーケティングディレクターの遠藤 克之輔氏が対談を行った。モデレーターは、「JAPAN CMO CLUB」Founderの加藤希尊氏が務めた。

第1部では、「究極の熱狂ファンをつくるには」をテーマにしたディスカッションが繰り広げられた。
熱狂というカスタマーロイヤルティを分解する3つの要素として、遠藤氏からそのフレームワークの提示があった。

「JAPAN CMO CLUB」Founderの加藤希尊氏(セールスフォース・ドットコム マーケティング・ディレクター)。

「熱狂するファン」についてどのように捉えているか?という質問に対し、遠藤氏は「『好き』という感情、そのブランドについて深く知っているという『こだわり』、実際に購入や利用をしてくれている『経験と取引』の3つの項目がそれぞれ、深くなるほどロイヤルティが高い状況と言えるのではないか」と回答。

「熱狂」を捉えるには、利用や購入といった売上への貢献の部分だけでなく、心情や知識情報といった軸も組み合わせた構造的な理解が必要ではないかとの考えを示した。

一方の鈴木氏からは、マーケターとしてのこれまでの失敗、さらに失敗をもとにした最近の成功の体験から、自身の考えの説明があった。「ニューバランスに入社した直後、前職のブランドで実施をしたようにタレントを起用した広告を制作した。すると、コアユーザーの方たちを集めたグループインタビューで『この人たちは、ニューバランスのシューズを履いていなさそう』との声が上がった。要するに嘘っぽいという指摘だった。それからニューバランスならではのブランドコミュニケーションの在り方を考えるべきと思うに至った」(鈴木氏)。

そこで、鈴木氏はタレントやスタイリストなど、実際にニューバランスを愛用しているファンの人たちに声をかけ、インタビューをし、それをブランドブックにまとめた。声をかけた人たちは、決して有名な人たちばかりではない。しかし「ニューバランスを愛してやまない業界人に取材した、このブランドブックがコアなファンの評判がよく、非常にベーシックなアプローチだが、ファンはユーザーの熱狂の発火点になると考えた」と鈴木氏は語った。

ニューバランス ジャパン DTC&マーケティング ディレクターの鈴木健氏。

ディスカッションでは、加藤氏から冒頭で提示された3つのフレームワークに沿って、「ニューバランスのブランドブックの考え方を他のブランドで適用するためにはどうしたらよいか」との質問が投げかけられた。

遠藤氏は「ファンの方たちが自社のサービスやプロダクトのどこに共鳴してくれているのかを理解することが大切。ニューバランスのブランドブック作成は、その共鳴のポイントを明確にするということにおいて有効な手法だと思う」と回答。

鈴木氏も「ファンのインサイトを知ることが大切。日ごろからソーシャルメディアで自分たちのブランド名で検索をし、そこでの投稿を見ながらインサイトを把握することに努めている」と説明した。

次ページ 「常に立ち返ることができる、ブランドの本質を理解する」へ続く

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