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2030年のビジョン実現に向けて、コーポレートブランディング活動を本格始動

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古野電気(兵庫・西宮)は、1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功し、現在は船舶の安全航行に欠かせないレーダー等の船舶用電子機器を主力事業とする企業だ。海外拠点は29あり、従業員は連結で約3,000名、うち約1,000名は西宮本社に在籍している。

古野電気 経営企画部 ブランドコミュニケーション課
清水 美也子氏 曽田 竜輔氏

清水氏は、これまで同社グループ全般の商標管理業務と舶用機器事業部門の市場調査業務を経験している。市場調査業務に従事していた当時、企業価値に関する調査を行い、ブランディングの重要性を感じたという。

「企業価値やブランドは、言葉の定義がいろいろあり、また明確な指標が存在しないため、調査が難しく、自社に調査結果を活かしてもらうにも、分からないことばかりでした。そこで18年8月に『コーポレートブランディング推進講座』大阪教室を受講しました」と語る。企業事例の講義で、『ブランドとは、生活者の頭の中に勝手に浮かぶ企業や商品のイメージ(=妄想)』、という説明が腑に落ちました。また、社内と社外の両方に向けたブランディングによる相乗効果も理解しました」という。

古野電気では同時期に、2030年に向けた新たな経営ビジョンとして「FURUNO GLOBAL VISION “NAVI NEXT 2030″」が策定され、これを達成するためにブランド価値向上に資する企業ブランディングの重要性が提起されていた。このためビジョン経営を推進する経営企画部に2019年4月、ブランドコミュニケーション課が新設され、事業部の商品PR部門のメンバーを中心に清水氏と曽田氏も配属された。

新設時、課員の誰も企業ブランディングの業務経験がないため、半年間は専門企業の協力も得たという。そして、ブランディング業務の機軸を『知る→理解する→好きになる→行動する』のサイクルを回すことに定めた上で、『まずはインターナルから』の施策を提案し、役員会で承認された。

「弊社は1950年代に創業者が『世界のFURUNO宣言』を打ち出し、世界を舞台に果敢に挑戦し発展を遂げました。しかし、今は全世界のお客様に商品・サービスを提供しているが、日常業務の目線は、本当にグローバルだといえるのか。名実ともに『世界のFURUNO』となるために、まずは社員自身が『FURUNO』ブランドを担っているという自覚と誇りを抱くことが重要だと考えました。先人達の想いを継ぎ、より良く変わろうと挑戦する社員を応援し、その輪をグローバルに拡げることがインターナルブランディング業務の役割なんです」という。

ブランディング業務を開始して1年を経た同社は、大きく3つの施策を行ったという。

1つ目は、「社内報を『グループマガジン』に刷新しました。これまでは日本国内の社員に対する福利厚生面での情報伝達ツールとなっていましたが、新たに、挑戦している人たちを紹介する、グローバルな相互コミュニケーションツールに変えました」と話す。こうした社員紹介の記事は、18年10月に受講した『インナー広報講座』大阪教室で学んだ、「理念をそのまま伝えるのではなく、体現している人に自然と語ってもらうことで伝わる」という講義内容を実践しているという。

「発行頻度は、これまでの年3回から年6回になり、国内では自宅に配布しています。世界各地のグループ会社の社員を巻き込むためにも、英語版も各拠点に配送しています。オンラインの時代に逆行していますが、リモートワークが進む今だから、自宅郵送が活きています。ぜひご家族にも読んでいただき、FURUNOのファンを増やし、家庭でも話題になることで、社員を応援したいと思っています」という。

2つ目は、プロバスケットボールBリーグに所属する「西宮ストークス」のメインパートナー契約を締結したとのこと。同社は、西宮からグローバル展開しているが、地元での認知度不足という課題を抱えているという。入社3年目の同課の曽田氏は、舶用機器事業部営業企画部から異動し、商船市場のプロモーションとブランディングを担当。西宮ストークスの契約に始まり、ストークスに関する全般を取り仕切り「FURUNOという会社を知ってもらうきっかけ。家族や友人、地域のみなさんと一体となれるパートナーをもつことで、ストークスとともに市民に愛され、そして成長していきたいと思っています」。と話す。

3つ目は「当社らしさを伝えるアニメーション動画の企業広告を制作しました、2020年8月から9月にかけて、最寄り駅の阪急西宮北口駅構内で放映したところ、社内外から大きな反響ありました。私自身も、大学生の息子から、ちゃんとした会社にみえる、と言われて嬉しかったです」と話す。

この他にも、経済産業省による『グローバルニッチトップ100選』に応募し認定されることで、主力商品である船舶用レーダーが、世界の物流を支える商船分野でグローバルトップシェアであることを、内外に示すことができるようになり、各種メディアによる報道露出も増やしているという。

清水氏は、「経営ビジョン『FURUNO GLOBAL VISION “NAVI NEXT 2030″』は①変える、②つなぐ、③変わるという3つのフェーズに分けて展開し、達成を目指しています。今は①変えるのフェーズなんですが、私自身もブランディング業務を通し変わることで、ビジョン実現に貢献していきたい」と話す。

初めての取り組みとなったアニメーション動画の企業広告
ブランディングの考え方を体系的に習得するため、清水氏が受講した講座は……
「コーポレートブランディング推進講座」でした

本講座は、ブランド戦略、自社らしさを言葉としてまとめる方法、社内に一本軸を通すインターナルブランディング、社外にイメージを定着させるエクスターナルブランディングなどについて学びます。
 

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