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日本はブランドが本当に未熟で市場が特殊なのか? 日本語と日本文化から考える

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外来文化がそのまま保存される日本と日本語

このような特殊性と未熟度のような指摘は、日本の地政学的な歴史を振り返る限り珍しいことではありません。大陸から離れた周辺の島国であった日本は、中国から他の周辺国と同様に漢字を取り入れましたが、日本以外の国では現代にいたるまでに消えてしまったのに対して、いまだに残っています。明治以降に西欧国の文化を取り入れられていますが、以前の文化が消え去ったわけではありません。

日本は歴史的に見て西欧や大陸の国々のように外部からの征服や教化を受けた経験がなく、以前の思想や文化を捨て去り、新しいものに完全に塗り替わったということがありません。つまり、昔のものがそのまま保存される。これは外から見ると、以前のままの状態に留まった未熟な状態にも見えるわけです。そしてそれが特殊と言われる所以でもあります。

そして、日本は古いものがそのまま保存されているだけでなく、新しいものも取り入れていきます。何でも取り入れ、それらが雑居している形は一見すると、文化に軸や中心がないように見えます。これはそのまま日本語の特長でもあります。日本語は中国語から漢字を取り入れ、漢字からひら仮名、カタカナが作られましたが、すべて日本語に取り入れられて残っています。とくに漢字は同じ文字に音読み、訓読みなど複数の読みが存在します。

この漢字かな交じり文そのものこそ、外部のものがそのまま外部の形を残したまま雑居するという形になっています。中国からの外来思想は漢字、それ以外の外国語もカタカナに変換されてそのまま取り入れられ、外部のものとして意識されたまま内面化されることがありません。おもに「概念」のように、抽象的な意味は漢字で示され、「コンピュータ」のように英語はカタカナで区別されます。

この外国からのものがそのまま内面化されず保持される漢字かな交じり文は日本の文化的特長にも影響を与えています。現代をみても、日本は国際的には料理をはじめ世界各国の多様な文化を取り入れられているものの、外国語自体を話す人が少ないのは、この言語的特長にも原因があるかもしれません。

 

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