コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

「玉城ティナの身近な世界」を短編映画化、監督・脚本を務めた『物語』(ゲスト:玉城ティナ)【後編】

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「哲学者と、実際に会って話してみたい。」

権八:今日ボクがお聞きしたかったのはですね、何かのインタビューで読んだのですが、家の本棚に哲学書が数百冊あるみたいな……。

玉城:いえいえ、違います違います!あれは、記事のタイトルなので間違えちゃうと思いますけど。本が数百冊あるだけで、哲学書がそれだけあるわけではないんです。

澤本:でも、哲学書を読んでいるんですか?

玉城:はい。読みますけど、哲学書を読んでるって何かこう……(笑)。ニュアンスが伝わりますかね?「私、哲学書読んでるんですけど」みたいな(笑)。

一同:ははははは!

権八:いや、そんな人なかなかいないからね(笑)。

玉城:そうですかね?なんだか、そんな感じになりそうで。哲学書って、人が考えているすごくシンプルなことが書かれているじゃないですか?つまり、その人がある場所へ行き着くための逆算の仕方について色々書かれている。そういう、解剖されたパーツが散りばめらた物に触れると、人と話すのと同じ温度感が得られるな、と思うんですよね。

澤本:そもそも哲学書を読もうと思ったきっかけはあるんですか?

玉城:いや、私は心の中で頼りにしているものがないんですよ。自分以外のものをそこまで信じるということがないんですね。だから、たまたまなんです。本屋も、本を読むのも好きで、小説やエッセイに触れてきた延長で、本屋の哲学書の棚に回った時に面白そうだな、と。それがひとつのきっかけですね。

澤本:それじゃあ、「本屋出会い」なんですね。

玉城:はい、本屋出会いですね。

一同:ははははは

玉城:そういう書き方をされると、その分野の方々からの反応がたくさんありますから。もちろん、それは嬉しいことなんですけど。ただ、それもいくつかの引き出しの中の私と言いますか。

中村:「人は何故生きるのか?」「何故、今日わたしはお茶の稽古に行かなければならないのか?」みたいな、謎を解き明かしたいっていう思いなんですかね?

玉城:哲学者という人たちに対して、興味があるのかもしれないですね。

一同:へえ~!!

玉城:哲学者って、信じることと疑うことが常に同じ所にある人たちだな、といいますか。自分が生み出したものを使ってどんどん自分の人生をつくっていかなければならないけれど、同時に、それを疑いながら新しく説を生み出す人という感じがしますよね。そうやってどんどん増えていくことがお仕事として面白いなと思います。哲学者の方と、実際に会って話してみたいな、と思いますね。

権八:実はぼくの伯父さん、哲学者なんですよ。

玉城:へえ~!!

権八:古東哲明さんという、ぼくの伯父なんですけど。

中村:ああ~!ハイデガーだ。

権八:そうです。ハイデガーというドイツの有名な哲学者で『存在と時間』という有名な哲学書を書かれた人がいて、その研究をずっとしているんです。「この瞬間を生きる」と言ったら有り体すぎるんだけど、割とそうした考えを根幹にしているといいますか。新書は特に読みやすいので、コレ(『ハイデガー=存在神秘の哲学』<講談社新書 古東哲明/著>)どうぞ。

玉城:ありがとうございます!

権八:もし気が向いたらで構いませんので(笑)

玉城:読みます。私はもらった本は読むことにしていますから。

権八:恐縮です。でも、なかなかいないからね、哲学が好きっていう若い女性は。少なくとも興味があるという方が少ないですよね。

玉城:そうなんですか?

権八:いやいや、20代の女性で初めて会ったかもしれない、そんなこと言う人(笑)

澤本:でも、最近ちょっと流行ったりしていない?

権八:本当に?!

澤本:うちの上の子が、正月休みに家で哲学書読んでたよ。何でだろうって思って。

権八:え、原書を読むんですか?

澤本:ううん。噛み砕いているような本だったけど、一生懸命読んでるから何でだろうと。

権八:ぼくらがよく知っている後輩に、小林昌平くんていう男がいるんですが、彼は『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(文響社)っていう本を出していまして。 

やはり、今というのは色々なことがありすぎて、どう生きたらいいのかという指針を見失いやすいんですね。不安な時代だからこそ答えを探しているとか、何かアドバイスがほしいと思っている人もいるのかな、と。

玉城:そうですね。それは大勢いると思います。

権八:ネットを見ていても、インスタントな答えはいっぱいあるんだけど、もうちょっと確かな本当のことがほしい、といいますか。そうした欲求がありますよね。

中村:今の新卒の世代って「Z世代」って呼ばれますよね。例えば、彼らは猛烈に働くことはしないけど、自分たちの立ち位置を大事にする、みたいなね。そんな世代分析を見るたびに、「正直言って、分からないな〜」と、思ってしまうんですよ。

彼らにとって哲学がハマるのも、自分たちなりのテンポで生きられているようでありながら、今までの世代とは違う何らかのひずみがあるんじゃないか、と。そこで欲するもののひとつが哲学書なのかなと、今聞いてて思いましたけどね。

権八:上の世代から20代ぐらいの人たちを見た時に「うわ、考え方がぜんぜん違う!」というのは、周りが決めたことだよね。

玉城:うーん。でも、私も10代の方とお話していて「分からないなぁ」と思うこともありますし、そういうのはありますよね。

澤本:玉城さんでさえ、10代の若者と話していてある種のギャップを感じたりするものですか?

玉城:それはありますよ。

澤本:例えば、どんなことを喋っている時ですか?

玉城:情報収集のツールも若干違ってきていますし、「別に流行っているものが好きなわけじゃない」という感じだったり……。人がより細かくなってきている感じがしますね。

一同:ああ~!!

権八:なるほど、それは分かる。

玉城:流行っているものが分かりにくい、というのもありますし。でも、色んな人の受け皿が増えたのは私たち「パフォーマンスをする側」にとっては良いことですしね。「この時代だから、こうしよう」というのは、みなさんがぼんやりと考えながらやっているのではないか、と思いますけどね。

澤本:なんか、常に説得されているような気がする(笑)。

一同:ははははは!

玉城:それって、嫌な女ですよね(笑)。

権八:いやいや!むしろいいですよ。みんなすごい好きになってますから、僕ら。

人は何をもって「選ばれる」のか?!

中村:玉城さん、今度ゲストに来るとしたらなんかやりたいことありますか?「30分ずっと本を読んでいる」みたいな。

玉城:はははは!全然朗読もしますし、逆にみなさんに私が質問するとか?(笑)。

一同:はあ~!!

玉城:私は少しだけつくり手の側に立たせてもらっていますけど、ベースは「選ばれる側」ですので……。もちろん、今後は自分たちで持ち込んだりしてつくり手の方々と新しい作品をつくっていく流れになるとは思うんですけどね。でも、その中でも「選ばれる」という意識は大切にしていきたいです。そういった質問もしてみたいですね。

権八:「何をもって選ぶのか」と?

玉城:その基準だったり。その時々によるんでしょうけど、やっぱり選ばれないと落ち込んだりもするんですよ。

一同:うーん。

玉城:だけど、その場所にたまたま合っていないだけなんだな、と思えば「ま、いっか。生きてるし」ってなります(笑)。

権八・澤本:そうだよね~。

権八:いや、でもそれは本当にたまたま、ですよね、澤本さん?

澤本:うん。物事の全てには、そういう側面があると思っていて。例えば、ある会社を受けて採用されなかったけど、別の会社に行くことになったとしますよね?でも、意外と採用されなかった会社というのは、受からない方が良かった場合が多いと思うんですよね。なぜなら、その会社の人は、「この人が働くことで、仕事がちゃんとうまくいくのか?」という視点で見ているから。これは成績がいいとか悪いとかとは、全く別の視点だったりするんです。 

だから、広告業界を受けたらダメだったけど、放送局に行ったら良かったとか、出版社に行ったら良かったとか、その逆もありますから。そう考えるとある種、全てをポジティブに捉えてもいいんじゃないかな?と思いますけどね。「ダメだった」というよりも、「ハマらなかった」ということの方が多い気がするけどな……。

玉城:そうですね。そう思うと気が楽です。

権八:もう、そう思うしかないよね。

玉城:思うしかないんですよ、ははははは!選ばれたいですけど、全部(笑)

権八:そうだよね〜!(笑)

澤本:後から自分で「全てこれで良かったんだ」って言い訳ができればいいと思う。

権八:よく恋バナで相談する時に、振られちゃってね。すごく傷ついた時もさ、「別れたおかげで次の人に出会える」みたいな!そういうことを言ってよく慰めたりしますよね。

玉城:「もっといい人いるよ!」みたいなやつですよね?

権八:あれ、そんな卑近な話じゃなかったかな(笑)?!

一同:ははははは!

澤本:いや、似たようなもん。

権八:めちゃショックだよね、失恋てさ。

玉城:あはははは!そんな失恋の話でしたっけ?(笑)

一同:ははははは!

中村:というわけで、そろそろお別れの時間が近づいて来ましたが、玉城ティナさんの今後のご予定を。まずは、テレビ東京のドラマ『鉄オタ道子、2万キロ』が毎週金曜深夜0時52分から。そして、2月6日の17時から、監督・脚本をつとめた短編映画『物語』がWOWOWで配信されます。これ、観たいですね〜!

権八:『物語』っていうタイトルなんだ?

玉城:ヤバいですよね?なんにも考えていないタイトルで。

一同:ははははは!

権八:考えてこうしたんでしょ?

玉城:まあ、そうなんですけどね。ヤバいな、このタイトルって(笑)。

一同:ははははは!

中村:『物語』というタイトルの物語という。これ、絶対にチェックですね!それと、4月29日封切りの映画『ホリック xxxHOLiC』(2022年)。蜷川実花監督の映画ですね。これも凄そうですね〜!

権八:あ!この話、聞くの忘れたね!

玉城:たしかに!

澤本:これは、どういう映画ですか?

玉城:これは創作集団・CLAMPさん原作の大ヒットコミック『ホリック xxxHOLiC』(講談社『ヤングマガジン』連載)を実写化した、蜷川実花監督作品です。主人公の四月一日 君尋(わたぬき きみひろ)役を神木隆之介さんが、不思議な【ミセ】の女主人、壱原侑子(いちはらゆうこ)役を柴咲コウさんが演じられていまして。

私は神木隆之介さんの同級生の九軒(くのき)ひまわり役を演じさせてもらっています。ツインテールのビジュアルが強烈なキャラクターですね。今回も蜷川ワールド全開の作品になっていますので、是非チェックしてみてください!

澤本:画が強そう。

権八:ね!面白そうですね。

中村:はい、ということで。ちょっと玉城さん、面白い方ですね〜。

一同:ははははは!

玉城:アシスタントでどうですか?(笑)

権八:ぜひぜひ!って、いいんですか?(笑)最後に何か、言い足りないことはありますか?

玉城:いや、ないです。次回にとっておきます!(笑)

一同:ははははは!

権八:また来てください。

玉城:お願いいたします!

中村:というわけで、今夜のゲストは女優の玉城ティナさんでした!

玉城:ありがとうございました~!

〈END〉

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