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コラム

全従業員が自信を持って働くための「広報思考」

弁当・惣菜チェーンでの勤務から「広報」を意識したきっかけ

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はじめまして。アークランドサービスホールディングス 広報の鈴木と申します。

私は2019年8月に、社長秘書を兼務しつつではありますが、はじめての広報専任の担当者として入社しました。今は、3名体制で「選ばれる企業・店にする」を目指して広報業務に取り組んでいます。

アークランドサービスホールディングスは、とんかつ専門店「かつや」、からあげ定食専門店「からやま」、たらこスパゲティ専門店「東京たらこスパゲティ」などの専門店をはじめ、ホームセンターで本格イタリアンを楽しめる「チェントペルチェント」や、タイ伝統の味をカジュアルに楽しめる「マンゴツリーカフェ」など15ブランドの飲食店を運営しています。

写真 アークランドサービスホールディングスが展開する飲食店の料理

当社にひとり広報として転職し、立ち上げから今も広報業務を行っていますが、「広報」と一口に言っても、役割や求められていることは、所属する企業などに応じて様々だと思います。

現在、当社で「選ばれる企業・店にする」役割を果たすにあたって私が大切にしているのは、以下の4つの点です。

  • ●自分たちが世間の中で、どこにいるか俯瞰でみる。
  • ●対象者を想像し、相手の立場になる。
  • ●会社の考え方を理解した上で、世の中ごとに翻訳する。
  • ●広報担当者がいなくても「選ばれる企業・店にする」が達成される状態にする。

極論を言うと4つ目にあるように、全社員が“広報的”な考え方を持って自社を発信できる状態が理想的だ、とも考えています。私が居なくてもこの考え方が当たり前である組織を目指して活動しています。

このコラムでは、私がキャリアを積む中で感じてきた広報に対する考えをもとに、現代における広報的思考の必要性や、広報文化のない組織にいかにその重要性を伝えていけるのかを、お話できればと思います。

弟の「どんな仕事をしているの?」に躊躇

私は、はじめから広報に興味を持っていたわけではありませんでした。実は弁当・惣菜チェーンでの勤務からキャリアをスタートしています。

昔から食べるのが好きで、食や料理に興味があったので、栄養士免許を取得できる短大へ進学しました。専門的な学びを深める中で、福祉や学校、研究職など様々な食への関わり方から、特に日常的な食事の領域で社会に貢献したいと考えるようになります。

写真 アークランドサービスホールディングスが展開する飲食店の弁当

社会人になるにあたり、まずは10年間、夢中になって極められる仕事がしたいと考え、バイト先の課長に相談をしたところ「企業として勢いよく成長しているし、楽しめるんじゃない?」と勧められたことをきっかけに、某弁当惣菜チェーン店に就職しました。

入社してからは接客や調理だけでなく、社員や店長として、そもそも社会人としてどうあるべきかを、トレーナーからみっちり教わりました。私はマイペースで、要領がいい方ではありません。振り返れば恥ずかしい思い出ばかりです。でも、そんな私を相手に諦めずに熱心に教えてくれたトレーナーはじめ、先輩や同期のおかげでなんとか前を向けました。お世話になった方々に恩返しをしたいと思っていたからこそ、仕事に向きあえたのだと思っています。

一方で、自分自身の要領が悪いからこそ、パート・アルバイトさん中心の店舗運営で、製造や稼働計画の立て方や発注の仕方といった手順を組み立て、新人教育の際は相手の立場になり「どうすれば相手が分かるように伝えられるか」を常に考えていました。この考え方は、その後の社会人生活でも非常に役立っており、伝わるように相手の立場になる大切さも、この経験から身に染みています。

そんな頃、弟と他愛のない話をしていた際に「どんな仕事をしているの?」と聞かれました。何気ない質問なのにうまく言語化できない自分がいて、何ともいえない気持ちになりました。

結局、「お客さんが欲しい商品を品揃えするために、おにぎりやお惣菜をつくって、注文をもらってからお弁当をつくってるよ」と答えた気がします。

弟からは「自信を持って自分の仕事を人に話せるといいよね」なんてことを言われ、心のどこかにずっと引っかかっていました。

  • 自信を持って人に話せる仕事じゃないのか?
  • うまく話せないのはなんで?
  • 従業員が自信を持って人に話せるような職場にしたい!

こんなことを考えてモヤモヤしていたところ、入社して10年目に転機が訪れます。ジョブローテーションで、社長の秘書と広報担当になるのです。

皆が自信を持って人に話せる職場に

といっても当時、任された広報業務は、社外から問い合わせがあった時の窓口のような役割だったと記憶しています。広報の役割は何なのかも分からずに、社内報、行政や企業との食育企画、ウェブサイトのお知らせ更新など一通りの作業を引き継ぎました。当時は、なにかを期待されていたわけではなく、前任者が長期休暇に入るので後任を探していた程度ではないでしょうか。

成り行きでスタートした広報業務でしたが、仕事を進めるうちに「もっと会社や店について知ってもらう手段があるのではないか?」「表現の仕方、伝え方に工夫ができるのではないか?」などと、考えるようになりました。

「どんな仕事をしているの?」という問いに対して、例えば、「店舗でつくってるからこそ、街の台所代行業をしている」「食事をつくれない人にも健康的な食事を提供している」などと答えられたらどうか。

企業として「自社のビジネスを通して実現したい未来」を従業員にしっかりと発信してはどうか。

ウェブサイトに情報掲載する以外にも、自社について多くの人に知ってもらえる方法があるのではないか。

色々と考え悩みながらも、弟との会話で芽生えたモヤモヤが晴れる予感がしました。

これらを解決すれば、これまでお世話になってきた方々や、今支えてくれている方々が「自信を持って人に話せるような職場にしたい」を解決できる気がしたからです。

こうして「広報」という職種、考え方に出会いました。次回は、広報初心者だった私が、まずどのように広報について学んできたのかをお伝えできればと思います。

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写真 人物 アークランドサービスホールディングス 鈴木恵美

アークランドサービスホールディングス
社長室 広報 次長代理
鈴木恵美

食に興味があり、学生時代に栄養士免許を取得。2004年に新卒で入社した弁当・惣菜チェーンでは、10年の店舗運営を経て社長秘書と能動的な広報の立ち上げを担う。プレスリリース配信やユーザー視点のウェブサイトリニューアルなど、企業やブランド認知向上に努める。2019年8月アークランドサービスホールディングスに入社。世の中に必要とされる企業を目指して、ブランドロイヤルティを高める役割として奮闘中。