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コラム

「世界一ハッピーな会社」をめざして。

ブータンで考えた。

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dofの社員は全部で4人。2005年に、電通出身のクリエイティブ・ディレクターである大島征夫と2人で立ち上げた時に比べると倍増したことになりますが、それでも本当に小さな会社です。小さな会社ですが、それでも会社は会社。企業体として、社会的な存在意義がなくてはならないと僕は考えています。社会に必要とされていない限り、必要としてくれるヒトがいない限り、会社は存続出来ないものであるはずだからです。

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話は、一昨年の年末から去年のお正月にかけて、ヒマラヤ山脈の東端に位置する、ブータンに家族で旅行をした時にさかのぼります。2年前にブータンの皇太子夫妻が来日して、一時日本でも注目をされていましたが、経済的・物質的な豊かさを尺度とするGNP(国民総生産)に対し、精神的な豊かさを尺度とするGNH(国民総幸福量)の増加を国策にしているユニークな国です。

現地ではヒマラヤの麓を散策したり、敬虔なチベット仏教徒が祈りを捧げる寺院を拝観したり、農家にホームステイをしたりして過ごしましたが、そこで眼にしたブータンの人たちの生活は決して豊かなものではありませんでした。食事も、住居も、衣服も、本当に質素で、そこには最低限のものしかありません。

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ブータンで一番大きな交差点。

街にはコンビニエンスストアーのような便利なお店はなく、学生時代にバックパッカーとして世界中を旅した際にどこの国にもあった中華料理屋もありません。そしてなんと、信号もひとつもないのです。以前一度だけ信号を設置したところ、かえって事故が増えたため、すぐに撤去したとのこと。潔い国です。

そんな生活を送るブータンの人たちですが、本当に幸せそうに過ごしているんです。
「あそこよりもうちはいい生活をしている」
「あいつは俺よりもいい給料もらっている、デカい家に住んでいる」といった、物質的なものに追われていない余裕を感じたんですね。

経済的な成長だけを追い求めるのではなく、「幸福量」という全く違う軸で独自の立ち位置を築くブータンの実情を目の当たりにしたとき、「ああ、こういう会社があってもいいんじゃないかな」と思い、帰国後早速社員に、「うちの会社を、世界一ハッピーな会社にしたい」という話をしました。

僕の考える、「世界一ハッピーな会社」には3つの条件があります。
まず最初に、社員とその家族がハッピーであること。
会社は何よりも社員が幸せで、楽しく仕事が出来る場でなくてはなりません。

僕が前にいた会社は、僕が7年目の時に上場をしましたが、「社員のための会社」から、「株主のための会社」に変わったと感じてしまうような事象が色々とありました。社員がハッピーでない会社が社会に対し、いいサービスを提供し続けることは難しいと思います。

次に、dofと仕事をする会社や、そこにいるヒトたちがハッピーであること。dofにお仕事をお願いしてくださるクライアントさん、パートナーのみなさま、スタッフのみなさま。うちの会社と仕事をして、心底良かった、楽しかったと思って頂き、ハッピーになって欲しい。

最後に、dofが世の中に対して届けていくコミュニケーションの力で、世の中をハッピーにしたいと思っています。僕たちに出来ることはそんなに大きくはないけれど、この世で何らかの生産活動を行っていく限り、世の中をいい方向に持っていけるようなものをつくっていきたいと思っています。

もちろん、ただただ好きなこと、楽しいことをやっていてもハッピーな会社にはなれないと思ってます。人一倍努力をして、考え抜いて、時には血ヘドを吐くほどのシンドイ思いもして、その先にはじめて、本当のハピネスが開けてくるのだと考えています。

青臭いかもしれませんが、「世界一ハッピーな会社」。
本気で目指しています。
どふぞ、よろしくおねがいします。


【『世界一ハッピーな会社」をめざして』バックナンバー】