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コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

~最終章~おれたちの冒険はこれからだ!

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【前回のコラム】「無料広告学校というCSR(2.0)。」はこちら

「ここらで広告コピーの本当の話をします。」ですが、じつはまだ本当の話をしていませんでした。
この本のテーマは、言葉によって商品価値を引き上げる、というところにありますけども、商品力を高めるコピーというのももはや古いというか、それだけでは時代に追いつけません。
これは本には書いていないことです。

「ここらで広告コピーの本当の話をします。」著:小霜和也/発行:宣伝会議(2014/10/29発売)詳細はこちら

どういうことか。
企業の競争は、もはや商品力とは別の戦いになっているということです。
つまりビジネスモデルの競争です。
ビジネスモデルとは、たとえば古典的で有名なものとしてはジレット・モデルというものがありますね。
昔は「髭剃り」として売られていたのを、ジレットさんは髭剃りの柄を無料で配って、替え刃を有料にした。
それでジレットは世界最大の髭剃りメーカーになりました。
フリーミアムの原型です。
ちなみにTVやラジオのCMモデルはウィリアム・ペイリーという人がCBS放送で始めたものです。

現代ではこのモデル競争による優勝劣敗が激化していて、いま成長している企業は、それぞれ独自のビジネスモデルを確立しています。
たとえばユニクロはSPA(アパレル製造小売り企業)と呼ばれる生産と販売を自前でやる方式で伸びました。これは世界的にはGAPが始めたと言われているものですが。
Appleは逆に生産を外部委託とし、自分たちは設計しかしないというスタイル。
Amazonはロングテール。
GoogleとYahoo!はどちらも検索サービスですが、Adwordsのモデルがポータルサイトモデルに勝ったと言うことです。
そうやって革新的に収益性を高めた企業が伸びているわけです。

僕が昔からCMをやらせていただいているTVゲームも、ゲーム会社は「ゲーマーたちが熱中するいいゲームを作ろう、そういうタイトルを出した者が勝つんだ」という理念でがんばってきたわけですが、「無料で始められてアイテム課金」というモデルに席巻されてしまった。
ゲームが楽しいかどうか、の一段上のレイヤーによって勝敗が決まるようになったわけです。

今後コピーライターに求められるスキルは、商品力を高めるだけでなく、企業のビジネスモデルを理解し、そこをブーストするものとなるでしょう。

次ページ 「本の中で紹介したキャンペーン事例で言うと」へ続く