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【調査レポート】 D2C・ECにおいて、カスタマーサポートはどれだけブランドイメージに影響するか?

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【調査背景】

生活者起点のリサーチ&マーケティングを支援しているネオマーケティングは、「ECサイトにおけるカスタマーサポートの重要性」に関するアンケート調査を実施し、カスタマーサポートがブランドイメージにもたらす影響について調査しました。

前回の記事「【調査レポート】注目を集める「D2C」において、企業が「生活者起点」で取り組むべき内容とは?」にて、生活者はメーカー直販サイトに対してケア・サポート面を期待しているにも関わらず、それらが叶えられていないケースがある、という調査結果をご紹介しました。
従来、カスタマーサポートは単なる顧客からの問合せ窓口だと認識されていたのではないでしょうか。

しかし今や顧客との関係性構築は、商品・サービスが購入されるまでだけでなく、商品・サービスが購入された後のカスタマージャーニー全体について考慮しなければならなくなっています。
顧客が困った時、課題を感じている時のサポート対応は、そのブランドに対する生活者のイメージを決定付ける非常に重要なタッチポイントとなっています。

今回は、オンラインショッピングにおいて、カスタマーサポートが生活者のブランドイメージにどの程度影響を与えるか把握するための生活者情報をご紹介します。
調査は、ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」の登録モニターの中で、オンラインショッピングを普段している方に対して実施しており、本記事はその調査結果をもとに作成しています。

【調査概要】

期間:2021年1月27日(水)~2021年1月29日(金)
調査対象:メーカー直販の通販サイトとモール型ECサイトで何かを購入したことがある方で、半年に1回はオンラインショッピングをする方

※調査では回答者のイメージを統一するため、「カスタマーサポート」ではなく、「顧客サポート」という用語を使っています。

<調査結果の全てはコチラからダウンロードいただけます>

第2回調査

 

●顧客サポートの重要性

商品を購入した後の顧客サポートについてどのように思うか、聞いたところ「重要である」「やや重要である」と回答した方は7割以上で、多くの人が顧客サポートが重要だと考えていることがわかりました。

●適切な顧客サポートがもたらす購入意向への影響

次に、顧客サポートが商品サービスの購入にもたらす影響をはかるため、顧客サポートを受けたことによって、その企業・ブランドの商品を再度購入したいと思ったか、聞きしました。

顧客サポートを受けたことで、約9割の方が今後の購入意向を示しています。
適切な顧客サポートを行うことが、顧客に次の購入を促す可能性が非常に高いことが伺えます。

●適切なサポートを受けたときに抱く感情

適切な顧客サポートが、次回以降のブランド選考にポジティブな影響を与えることがわかりましたが、それはなぜでしょうか?
その理由を把握するため、適切なサポートを受けたときに抱く感情について聞いたところ、9割以上の方がブランド・商品への「信頼感」「好感」を抱くと回答しています。

前回の調査結果では、ブランドの選択基準として「信頼度」が最も重要視されていることを紹介しましたが、適切な顧客サポートはこのブランドへの「信頼感」に大きく影響することがわかります。
また、「そのブランド・商品を人に勧めたくなる」と回答した方も約8割となっており、他者への「推奨」という点でも、顧客サポートが結果的に生活者のブランド選考に影響を与えていることが伺えます。

●商品を購入した後、受けたことがある顧客サポート・受けたい顧客サポート

商品を購入した後、その商品のメーカー企業・ブランドから顧客サポートを受けたことがあるか聞いたところ、「発送/到着連絡」「商品交換」「修理・故障の対応」など、一般的なサポート内容があげられています。
商品を購入した後どのような顧客サポートがあると良いかという質問に対しては、「修理・故障の対応」「商品交換」「購入代金の返金」などが上位となり、商品の保証についてのサポートが強く望まれています。ここがブランド直販サイトに期待されるケア面・サポート面の最低ラインといえそうです。

受けたことがあるサポート、受けたいサポートのほとんどが、顧客からの問合せがあって行われる受動的な内容である一方で、「困りごとのヒアリング」というブランド発信の積極的な顧客支援が求められていることも伺えます。
問合せがきてから動くのではなく、ブランド側から顧客の課題解決に向けて積極的に動く、カスタマーサクセス的な働きかけだといえます。

BtoB、特にSaaSでは「カスタマーサクセス」の取り組みは一般的ですが、顧客数が多く個人との接点を捉えづらいBtoCで実施しているブランドは限定的でしょう。
しかし、企業が自社ECサイトで顧客データを得て、顧客と直接的なコミュニケーションを行うチャネルを増やしてきている今、少しずつ潮目が変わりつつあります。

今後のOne to Oneのマーケティングの進化によって、BtoC領域でのカスタマーサクセス導入も加速していくのではないでしょうか。

まとめ

近代マーケティングの父、フィリップ・コトラー氏の著書『マーケティング4.0』では、顧客を感動させて忠実な推奨者にすることが究極の目的となる、と述べられており、顧客から顧客への「推奨」が非常に重要な時代だとも言われています。
この「推奨」の元となる顧客体験に、商品・サービス購入後のブランドのコミュニケーションが大きく寄与しているのです。

話は少しずれますが、執筆者自身の経験として、海外旅行中に財布を無くした際、クレジットカードを止めるため、国際電話で各クレジットカード会社に問合せの電話をしたことがあります。
クレジットカードが不正に使われるのではないか、帰国までの金銭をどう工面しようか、など様々な不安を抱えながら問合せをしている中で、とあるクレジットカード会社のカスタマーサポートの対応が非常に的確で、安心感をいただかせてくれるものでした。
その会社への信頼度と好感がそれまでとは比べ物にならないくらい上がりました。それ以降、私は機会がある毎にこのエピソードを人に話し、その会社を薦める1ファンとなりました。

オンラインによるテックタッチがメインのD2C・ECにおいて、カスタマーサポートは人・ブランドとのコミュニケーションを伴うハイタッチに近い領域です。
そこで顧客が経験する内容は感情に大きく訴え、顧客が抱くブランドイメージを左右します。

ブランドにとって、カスタマーサポートはただの問合せ窓口ではなく、顧客との関係性を強固にする重要なタッチポイントの1つだと言えるでしょう。


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ネオマーケティング マーケティンググループ

URL:https://neo-m.jp/research-service/evoked_survey/