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ブランドがアドベリを能動的に活用しユーザーの生活に求められる広告を

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月刊『宣伝会議』2022年7月号(6月1日発売)では「デジタル広告品質とコンテキストターゲティング」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

日本オラクル
シニアクライアントパートナー
田中洋一氏

1999年からDoubleClick Japan、Omniture、AudienceScience Japan、Teads Japan などグローバルデジタルマーケティング企業の日本ビジネス立ち上げでキャリアを積む。AudienceScienceとTeadsでは日本代表を務め、2021年6月からOracle Advertisingで、Moat事業を担当。

 

Q.「デジタル広告の品質」にかかわる領域で、もっとも注目している課題を教えてください。

A.検証を継続的に繰り返して“ユーザー理解”を深め、求められる情報を提供する。

ユーザーの生活シーンで必要な情報であれば、広告は広告でなくコンテンツとしてユーザーに受け入れられると考えています。ブランドがターゲットとするユーザーの生活シーンは、接触する媒体によってもさまざまです。

ユーザーの接触媒体や媒体フォーマットごとに伝えたいメッセージングのクリエイティブを複数用意して検証を繰り返すことで、ユーザーがコンテンツとして受け入れられる広告確率が上がっていくことが理想です。データを活用し、広告クリエイティブの検証などを行うことで、“ユーザー理解”を深めることが重要だと考えます。

Q.デジタル広告にかかわる各プレイヤー間で、品質の課題に対する意識にギャップはあると思いますか?

A.アドベリフィケーションの取り組みは、ブランドによって二極化している。

JICDAQ設立後、国内ブランドのアドベリフィケーションの取り組みが二極化したと感じます。

積極派のブランドについては、アドフラウドの排除、ブランドセーフティを媒体ごとにしっかりとモニタリングし、2つの数値を安全な配信面での広告配信のみにするために、最適化のサイクルを回しています。同時にビューアビリティのデータを中心に、ディスプレイ/動画広告別に、媒体ごとにどのような広告のメッセージングがよりユーザーに受け入れられるか、広告効果最大化のためのアドベリフィケーション活用に、広告会社を巻き込んで積極的に取り組んでいます。

このようなアドベリフィケーションの取り組みを特定ブランドだけで実施するのでなく、自社が抱えるすべてのブランドに全社展開することにも労力を割いている事例も見られます。私が想定していた以上にこの2年ほどで国内ブランドのアドベリフィケーションの取り組みは、グローバルブランドのレベルに近づいています。

アドベリ消極派のブランドは、「以前アドベリフィケーションにトライした」「広告会社に任せている」など、活用というより、まだアドベリフィケーションに対して懐疑的な視点やコスト負担増などに目が行っている印象を受けます。

Q.広告「効果」と投資に対する「効率」のバランスをいかに考えるとよいのでしょうか?

A.“リスク削減”と“効果向上”の2つの視点で定量目標を定める。

アドベリフィケーションの取り組みは、「①ブランド毀損のリスク削減」、「②広告の効果を上げる」という2つの視点で定量的な目標を定める必要があると考えます。2軸で考えなければ、投資対効果を広告主企業の担当者が社内に示すことは難しいと思います。当社でもこの2つの視点で「なぜ今、アドベリフィケーションに取り組む必要があるのか」について、導入検討の際にブランドと徹底的に議論し、アクションプランに落としています。