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「基準の構築」が進む日本のOOH業界 クロスメディアでの活用にも期待が高まる

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Hivestack Japan
社長
神内一郎氏

1992年4月電通入社。入社以来、デジタル領域を中心に新規事業・新規サービスの立ち上げに従事。約30年間、日本、中国、シンガポールにおいて電通の様々な上級職を歴任。2019年、NTTドコモと電通の合弁会社LIVE BOARDの代表取締役社長に就任。2021年8月より現職。

Q:コロナ禍を経て、改めて感じるOOHの価値とは?

A:「公共性」「インクリメンタル・リーチ」「インパクト」を価値として再認識。

コロナ禍を経てOOHの広告価値について次の3点が再認識されたと思います。1点目は「公共性」です。コロナ禍でもリアルな現場で仕事を続けなければならないエッセンシャルワーカーへの感謝のメッセージが掲出されるなど、人々の共感を生む非常に公共性の高いメディアであることが再認識されたと思います。2点目は「インクリメンタル・リーチ」です。広告主のデジタルメディアへのシフトが高まれば高まるほど、ニーズが顕在化した対象者へのターゲティングが中心となり、新たな顧客のリーチに課題を持つ企業が増えていきます。3点目は「インパクト」です。裸眼3Dクリエイティブがブームになりましたが、それにとどまらず、デジタル・コンテンツ・オプティマイゼーションと呼ばれる手法で、「そのとき、その人、その場所で」適切なクリエイティブをターゲット・オーディエンスに届けることができるようになり、より効果的にOOHを活用する手法についても認識が深まったと思います。

Q:デジタル技術の進展、データ活用によりOOHは進化を遂げつつあります。その中で特に注目している領域について教えてください。

A:プラットフォームの活用で、OOHでもKPIに基づいた戦略が立てられるように。

プラットフォームを活用することにより、OOHにおいても広告主が設定したKPIに基づきカスタム・オーディエンス・ターゲティング配信ができ、広告効果検証までできることはもちろん、キャンペーンの途中でもKPIの達成状況に応じてターゲットやクリエイティブを変更可能なインフライト・オプティマイゼーションも実現することができるようになりました。当社でもプラットフォーム上でプランニング、バイイング、出稿、クリエイティブ、効果検証までの一連のプロセスを管理・運営しています。また、プラットフォームを通じて海外から日本のOOHメディアへの配信を直接行うOutside-Inキャンペーンや、逆に日本から世界各国のOOHメディアに対して一元的にキャンペーン管理を行うInside-Outなども顕著に増加しています。

Q:OOHの活用に際して、広告主企業が課題に感じていることとは?

A:他メディアとの費用対効果の比較のしづらさに課題を感じている企業が多い。

広告主にとっての課題は、大きく次の2つが挙げられます。1点目が日本においてはOOHの「標準メディア・カレンシー」が定められておらず、他のメディアと同じ基準でのクロスメディア・プランニングが困難という点。2点目はOOH出稿による「ROIがわからない」という点です。1点目の「OOH標準メディア・カレンシー」の課題については、日本においても客観的かつ他のメディアと比較可能な「OOH標準メディア・カレンシー」構築の動きが加速しています。2点目のOOHの広告効果検証の課題についても、モバイル・データやプログラマティック・プラットフォームの活用により、マーケティング・ファネルの様々な段階における広告効果検証ができるようになってきています。