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コラム

アンバサダー視点のススメ

広告大量投下だけでは勝てない時代に重要な3つのテーマを、ドン・シュルツ教授の講義から考える

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3.組織構造を変えなければならない

「デジタル化の変化に合わせて当然企業の組織構造も変えなければならない。そもそも、企業の従来の組織図には顧客の存在がない。だからこそ、縦割りの組織構造に陥ってしまう。これからは、顧客を組織の中心におかなければならない」

この手の議論は最近必ず組織論に落ちることが多いな、と感じていますが、シュルツ教授も当然のように組織構造を変えることの重要性を強調していました。

写真:H&Kグローバル・コネクションズ

実は、ワールドマーケティングサミットの前日に開催されたパーティーの場でも、個別にシュルツ教授に「日本においてはマーケティング組織が宣伝部、広報部、商品開発、と縦割りになっている組織がまだまだ多く、シュルツ教授の提唱されていたIMCのような概念にそった取り組みが難しい企業が多い。何かボトムアップから解決していく策はありますか?」と質問しましたが、「日本のような保守的な人が多い国においては難しい問題だね。簡単な解決策は無いな」と返されてしまった事実があります。

実際、組織構造をボトムアップで変えていくのは現実問題、相当難しいわけで、やはり時代の変化に対応するためにはある程度トップダウンで、組織変更の号令が必須になるのかなと、改めて痛感させられた講義でもありました。

冒頭にも簡単に書きましたが、日本企業にとって難しい舵取りになるのは、日本においては依然としてテレビCMが非常に強い影響力を維持しており、ソーシャルメディアの普及率も低い上に高齢化社会でもあるため、米国ほど「デジタル化するか、死か」という実感が企業の経営者の間で湧きにくいという点でしょう。

ただ、長い目で考えると日本企業にとっても今考えなければならない課題であることは間違いないと感じます。