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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

(極私的)広告セレンディピティ(2)

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貝洲岳洋(電通 コーポレート・コミュニケーション局/宣伝会議コピーライター養成講座2009年春・基礎コース修了)

そうだ宣伝会議、行こう。

『一人三都物語』(※前回のコラム参照)を終え東京に戻ってきた僕は、「広告をつくる側の人間になりたい」と漠然と思うようになっていました。何から始めようかと考えていた時に、できれば将来一緒に仕事したいね、と話していたコピーライターの友人が以前通っていたというのを思い出し、一念発起。僕は大枚をはたいて「コピーライター養成講座」に通う決断をしました。

『明日の広告』

『明日の広告』。特に「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」の事例が書いてある章は、今でもよく読み返します。

講座では毎回違う講師の方から課題が出され、優秀な作品には賞品として「金のエンピツ」が授与されます。第一回講師は故・眞木準さんだったのですが、幸運にもその課題でいきなり金のエンピツを頂くことができました。名前を呼ばれた瞬間、嬉しくて飛び跳ねそうになったのを今でもよく覚えています。

講座に通い始めて3カ月ほど経ったある日、いつものように課題が出されました。お題は「タイの航空会社のコミュニケーション・デザイン」。コミュニケーション・デザイン?? 恥ずかしながら初耳でした。そして課題の理解を深めるための参考文献として提示されたのが、講師の佐藤尚之さん(当時電通勤務、現ツナグ代表取締役)著、『明日の広告』でした。「コミュニケーション・デザインって言葉初めて聞いたし、よく分からないから読んでみよう」そんな軽い気持ちで読み始めた僕は読後、頭上からイナズマでカラダを貫かれたようなもの凄い衝撃を受けました。誇張でも何でもなく、後の僕の人生を変えた本です。

僕は当初、「人の心を動かすコピーを書けるようになりたい」という想いで養成講座の門戸を叩きました。ですがこの本に出てくる「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」(著者・井上雄彦さんの、ファンの方に対する感謝の気持ちを伝えたキャンペーン)のことを知って、その想いは完全に「人の心を動かすコミュニケーションをデザインできるようになりたい」に変わっていました。

コピー⇒コミュニケーション・デザイン

『明日の広告』2

講義後に佐藤さんにお願いして頂いたサイン。これを書いていただいた後に手紙を渡しました。

「どうすればコミュニケーション・デザインの仕事に携われるのか?」という自問自答モードに突入した際、昔から考えることが苦手だった僕は、「コミュニケーション・デザインを実践されている講師の佐藤さんに手紙を書いて、ダメ元で直接お願いしてみよう」というなんとも短絡的なアイデアに行き着きました。そう決めてからすぐに、ロフトに行ってレターセットとハートのシール(『明日の広告』の冒頭に「広告は消費者へのラブレター」という比喩が出てきたので、それを意識しました。。)を買い、人生で何度目かの手紙を書きました。そしてその手紙と、

  • 履歴書
  • 職務経歴書
  • 自己PRシート
  • それまでの金のエンピツ授与作品をまとめたシート
  • 今回の課題提出用紙(ちなみに金のエンピツはもらえませんでした。。)

を一式にして、コミュニケーション・デザインの講義終了後、佐藤さんに渡しました。(その当時のことを、佐藤さんがご自分のブログ「www.さとなお.com」に書いてくださっています。ここに書ききれなかったことも書かれているので、良かったらこちらも併せてご覧ください)

その後、佐藤さん曰く「いろんな経緯や絶妙なタイミング」があり、何と佐藤さんの下で働かせて頂けることになりました!

だいぶ端折ったつもりなのですが、指定の文字数をオーバーしてますねこれ。。次回は、佐藤さん主宰の組織「サトナオ・オープン・ラボ(現電通モダン・コミュニケーション・ラボ)」の活動内容などについて書いていきたいと思います。

kaisu
貝洲岳洋(かいすたけひろ)
電通 コーポレート・コミュニケーション局。1979年東京都生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。創芸(現DGコミュニケーションズ)、アイ・アンド・キュー アドバタイジングを経て電通に入社。次世代コミュニケーションの研究・開発を目的とする社内横断ヴァーチャル組織「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」に参加。

(極私的)広告セレンディピティ(3)はこちら

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