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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

編集者として、人と人との狭間を埋めたい。(2)

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【前回のコラム】「編集者として、人と人の狭間を埋めていきたい。(1)」こちら

みなさん、こんにちは。
フリーランスで編集をしている徳瑠里香です。企画編集を担当した書籍シリーズ「U25 Survival Manual Series」の立ち上げ時のことを書いた前回のコラムに続き、今回は一冊の本作りについて振り返りながら編集者の仕事についてご紹介します。

U25 Survival Manual Seriesは、私自身、本を編集すること自体が初めてで、アートディレクションをお願いしたNIGNの大原健一郎さんも本をデザインするのは初めて。著者も処女作となることが多い…という初めてづくしの書籍シリーズでした。知識や経験、それに基づくルールやノウハウもないところからスタートしたわけですが、そんななか、私が編集者として心がけてきたことは次の3つです。

①具体的な読者を決めて、届けるための道筋をつくる

U25シリーズでは、それぞれ具体的な読者を一人決め、そのペルソナに沿ってデザインや書き方などを決めています。例えば、家入一馬さんの『もっと自由に働きたい』は、地元の同級生を読者に置き、そのイメージから漫画のような感覚で読んでもらえるように、装丁や各章の扉にコミック(花沢健吾さんの「ボーイズオンザラン」)を取り入れています。一方、曽山哲人さんの『最強のNo.2』はビジネスをバリバリする友人をイメージして、イラストなどは一切使わず、文字に大小をつけて遊んでいます。

ほかにも、「はじめに」は、「〜人へ」という書き出しで、ターゲットとなる読者に対するお手紙を意識して書いてもらっています。例えば、神原一光さんの『会社にいやがれ!』であれば、「会社の仕事では達成感は得られないと思っている人へ」といった具合です。

ここで紹介したのは一部ですが、このように著者の魅力を誰にどう届けたいかを考え、デザインやタイトル、構成や書き方などの方向性を決め、その道筋を作っていきます。

次ページ 「②一番の読者として、著者の魅力を引き出し、伴走する」へ続く