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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「“べき”ではなく“たい”が新しい価値を生み出す」——インフォテリア 平野社長に聞く

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「べき」を減らして「たい」を増やす

——リーダーおよび社員の育成のために、日々の業務の中で特に注力していることはありますか?

「『べき』を減らして『たい』を増やせ」とよく言っています。「こうするべき」「ああするべき」「それはしないべき」……社会のルールに沿った活動をする上で「べき」を守るのは大切です。しかし「べき」というのは、言い換えれば他の人がやることと同じにしなさいということなので、プラスの価値を生み出しません。だから、「すべき」と同量以上の「したい」という欲を出してほしい。
「したい」というのは自身の中から出るものですから、感情が伴います。だから、「したい」の量を増やしていくことが価値の創出だけでなく、幸せにもつながっていくと思います。

加えて、リーダーになるような人には、積極的に外に出てネットワークを広げてほしいと考えています。自身の労働時間を増やしたり、能力を磨いたりしたとしても、得られる成果は有限です。しかし、「人の力を活用する」ことができれば、成果は無限大に広がります。単に名刺を交換した程度の偽の人脈ではなくて、お互いの力を頼りにし合っている、例えば「何かの問題に対して、それを解決できる人にちゃんと依頼できる」といった、本物の人脈を築いていってほしいですね。

——「求めている力」を伸ばすために、会社として育成の施策や制度として行っていることはありますか?

明確に制度化はしていません。なぜなら、制度化してしまうと「べき」になりかねないからです。「自由に使える時間を確保する」ことと、「手を挙げた人にはできるだけ任せる」ことを意識して行っています。例えば、休暇については、夏休みはなるべく9連休の取得を推奨しています。ほかにも誕生日休暇を設けていて、家族と過ごす時間を取とれるようにしていますし、6年勤めると4週間の休暇を取得できる「サバティカル休暇」もあります。

これも、有名な「20%ルール」のように、あえて制度化するよりも、本当に好きなこと、やりたいことがあって、隠れてでもそれを進めて「こんなものができました」と持ってきたり、「どうしてもこれをやりたいので、業務時間を使わせてください」と言ってきたりするような情熱がないとうまくいかないと思うからです。

「やるべき」ではなくて「やりたい」という感情があり、「言われたこと」や「決まったこと」以外の、人と違った活動をすることにこそ新しい価値があるのです。だから、その違いを意識するために、どんどん外に出て刺激を受けてもらいたいと考えています。

次ページ 「未来を見据えて海外へと展開」へ続く