コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「与えられたポジションに対して力が足りないほど、その差を埋めるスピードはあがる」――エンターモーション 島田社長に聞く

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【前回のコラム】「「“べき”ではなく“たい”が新しい価値を生み出す」——インフォテリア 平野社長に聞く」はこちら

時代の流れがますます速くなっている昨今。企業に求められる人材においても、流されずにしっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が重視されてきている。これはマーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる資質である。
このコラムでは、企業のトップに対して、人材育成について考えていることや実践していることを聞いていく。その中で、「マーケティング思考ができて、なおかつ実際に行動に移すことができる人材」を育成するにはどうすればいいのかを探っていきたい。
今回は、オウンドメディアを使った施策でイオンやすかいらーく、サークルKサンクスをはじめとした店舗企業のオムニチャネル戦略をサポートしている、エンターモーション 代表取締役社長の島田大介氏に聞いた。

エンターモーション 代表取締役社長 島田大介 氏

「メンバーを巻き込む情熱」と「チームを導く判断力」

――貴社がリーダーに対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?

リーダーに求められることはいくつかあると思いますが、中でも重要なのは「情熱」です。ベンチャーの場合は特にそうですし、大企業であっても、「何か新しいムーブメントを起こしたい」と考えて行動する際には情熱が必要だと思います。新しいものを作っていくというのはさまざまな面で高いハードルがあるので、情熱がないとなかなか乗り越えられません。また、リーダーは、自身で情熱を持っていることはもちろん、周りにその情熱を広げる、いわば“延燃させられる”ことも大切です。チームを引っ張るリーダーにはこの資質を求めています。

また、当然ながら人間力も重要です。周囲に自身の情熱を延焼できるかどうかは、「人として尊敬できる」と思われなければなりません。さらに、リーダーの判断によってチームが正しい道をたどるのか大きく外れてしまうのかが決まるので、物事を判断する力も求められるでしょう。会社の目指す大きな戦略を踏まえた上で、どう判断してやっていくのか。時には瞬間的な判断を迫られることも多いので、直感的なものも含めて、経験に基づく判断する力に優れているかどうかも重要かと思います。

――リーダーに求める力を伸ばすために、具体的に行っていることはありますか?

例えば、判断力について。判断力を高めるためには「判断する場数を踏むこと」が一番の近道だと考えています。したがって、多くの場数を踏んでもらうために早い段階で判断を求められるある程度のポジションにつけることを意識的に行っています。

私自身、26歳のときに出向先の会社で取締役というポジションを与えられました。正直、取締役になるには全く能力も経験も不足していたのですが、その時の上司が思い切ってそういうチャンスを与えてくれました。与えられたポジションにふさわしくなろうとしているうちに自然と周りに今まで巡り合えなかったような方々との出会いやつながりが形成されたり、とてつもないスピードで自身のスキルが上がっていったりした経験があります。

それもあって、「こなせるかどうか分からない」くらいの大変な役割やポジションに育てたい人をあえてつけるようにしています。本人はめちゃくちゃ大変かと思いますし、しんどい想いをする訳ですが、それを乗り越えると相当なスキルが身についていると思います。その時はうらまれるかもしれませんけどね。(笑)

わかりやすい例としては、「新規事業を作って全部任せる」ことでしょうか。先日も新たな事業部を作って、その責任者として若手を任命しました。一つの会社の既存スキームだけだと、どうしてもポジションの数が限られます。それを解決するには、新しく事業部を作るか、グループ会社を作るしかありません。

もちろん、当社の戦略に合致している必要はありますが、今後もどんどん新規に事業部を新設したり、国内外を問わずグループ企業を設立したりしていきたいと思っています。
現在、当社は70人くらいの組織ですが、今後グループ会社なども含めて1,000人、1万人の規模になったときに、トップにいるメンバーには相当高い判断力が求められます。その時に備えるためにも、「判断力を鍛える環境を作る」ことが大事だと考えています。

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