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コラム

右手に常識、左手に非常識。――関西「広告」クリエイティブの源泉  

自分の実感を信じるべき、だと思います。

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人間の本質は変わらない。

社会環境や人々の意識やメデイアなどさまざまなことが変化し続けているのは事実ですが、でも、人間の根っこにある本質は変わらないと思っています。原始時代から人間は恋をしていたと思うし、失恋したら泣いてたと思います。ウソをつく人もいたでしょうし、見栄をはるタイプもいたんじゃないかと。人がバナナの皮で滑ってこけたときにはみんなで笑ってたでしょうし、原始人の中にも恐妻家は絶対にいたと思います(笑)。そういう人間の本質的なところというか、気もちの根っこのところはきっと昔も今も変わらない。そして、そこは洋の東西を問わず、人類みな同じなんじゃないかと。

20年ほど前に、あるゲーム会社の方から聞いた話を最後に書きます。

「山本さん、ゲームソフトはね、日本で100万本売れたとしたらまずまずのヒット作と言えます。でも、我々はさらに世界中で1000万本売りたいと思うわけです。となると、どういうゲームをつくるべきかとなるわけですが、そういう時、たとえば東京で今、何が流行っているかなどということは参考にしません。世界レベルで考えたら、それは東京ローカルにすぎないからです。そういうことよりもね、自分たちが子どものころにセミとりをしたこととか、海でスイカ割りをしたこととか、秘密基地をつくったことなんかをイメージしながらゲームをつくっていくんです。そういう原体験のようなものがグローバルになれるんです」

今はクールジャパンのような世界に通用するカルチャーもあるし、ネットの発達によりゲーム業界の状況は当時と異なっていますが、そういうことは脇においといて、その考え方は皆さんの参考になるのではないかと思って書きました。

人間の根っこにある本質を描けたら、それは多くの人の気もちに深く届くと思います。脳で理論的かつ戦略的に考えることももちろんだいじですが、自分の実感を信じ、自分の気もちで考えることをだいじにしたいと思っています。

気もちで考えたことは、人の気もちに届きやすいと思うからです。

というところで、そろそろおしまいにします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。