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「戦略が重要」と口では言うけれど、実は本当に「戦略」を考えていることは少ない

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「外部環境の不確実性」は戦略の存在理由にならない

不確実性に対処するために戦略が必要なのだという考え方は長らく存在しますし、尊重すべきものです。同時に、競合の活動や原材料の価格などといった外部環境の不確実性そのものが戦略の必要を生んでいるわけではありません。

外部環境の不確実性を重視しなくてはならないのは、目的や資源についての考察に多大な影響を与えるからです。外部環境の不確実性そのものを理由として戦略が存在するわけではありません。

では、外部環境の不確実性に対処するのは戦略の役割ではないのか。端的にいえば、戦略がカバーすべき範疇にある場合が多いでしょう。外部環境の不確実性が目的や資源に影響を与えることが多いからです。

戦略とは「目的達成のための資源利用の指針」

「なぜ戦略が必要なのか?」という問いに対する答えは、「達成すべき目的があり、かつ資源が有限であるから」です。目的がなければ戦略は必要ないし、資源が無限であれば戦略は必要ありません。そして、この議論は戦略の定義をわかりやすく示唆しています。

戦略は有限の資源をもって目的を達成するときに必要である。ということは、戦略を定義付ければ、「目的達成のために資源利用の指針」となりそうです。

もちろん、個々の固有の状況における仔細な記述は可能なので、数え切れないほどの戦略論が出版されていますが、本質的には「目的」と「資源」のふたつの要素に集約されると考えられます。

概念の説明が1行で終わってしまって、簡単すぎて不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、簡単であることこそが重要なポイントです。これは、戦略という概念を実際に運用し、思考ツールとして活用するための定義だからです。戦略という概念自体が難しすぎては、戦略を組み立てるという「目的」を達成するための時間や労力といった「資源」を無駄にしてしまうかもしれません。

次回は、戦略があることで何がよいのかを紐解いていきます。

書籍案内

『なぜ「戦略」で差がつくのか。 – 戦略思考でマーケティングは強くなる -』
本書は、それぞれの読者が戦略を実践的な思考の道具として体得されることを目指すものです。著者が、P&G、ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂、とマーケティング部門を指揮・育成しながら築いてきたものをベースにした戦略概念と、思考の道具としての使い方を丁寧に紐解きます。

はじめに/第1章:戦略を定義付ける/第2章:戦略の構成要素①「目的」を解釈する/第3章:戦略の構成要素②「資源」を解釈する/第4章:戦略の効用/第5章:戦略を組み立てる/第6章:戦略を管理する/第7章:戦略的に考える/第8章:「戦略」をより深く理解する/おわりに

『なぜ「戦略」で差がつくのか。―戦略思考でマーケティングは強くなる―』刊行記念セミナー

開講日 2017年04月07日(金)
講義時間 19:00~20:30
 第一部:19:00~19:30 音部大輔氏 「戦略思考を身につけ、使いこなすには」
 第二部:19:30~20:20 音部大輔氏×磯部光毅氏 「マーケティングを成功に導く『戦略』とは」
定 員 100名 ※本書を購入した方限定 会場でも販売いたします。

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