スポンサーって何?なんのためにやるの?を敢えて考えてみる
スポンサーシップといっても、スタジアムのような場所、イベント、スポーツチーム、個々のアスリートと多岐に渡る。そして目的も、企業ブランドの認知拡大から販売訴求、体験させる場づくり、コンテンツ連携といったことになる。
ここ最近、自身でもスポンサー活動をやってみて、企業のスポンサーに対する考え方が日々変化していることを感じる場面がある。そもそもレッドブル時代には、音楽フェスといった消費をダイレクトに促すものに関しては別として、ブランドマーケティングという観点では主催するイベントが多くあることもあり、他のイベントへのスポンサーはあまり積極的に行っていなかった。
更には、ロゴの掲出やメディアでの露出のみに対してバリューをおくというよりも、それ以外にスポンサーとしてどんなことができるのかを強く求める傾向もあった。最近、様々な企業と話をしていると、同様な傾向が出て来ていて、イベントなどのスポンサーシップを販売する側も、相当相手側の戦略を考えていかないといけないと思っている。
スポンサーを求める側と求められる側の目的を合致させて、何をそこで生み出すのかが大事である。そして一体どこまで考えられるのかには経験が要され、そこまで提案として持っていけるかが課題だと感じている。単なる関係性やお付き合いということが当たり前だった時代から、ストーリーがどこまで描けるのかを真剣に考えなければならない。
これはアスリートとの関係性も同じだと思っており、彼らを一過性の露出効果といった対価を考えてスポンサーをすることだけで終わらせてしまうことほど勿体無いと思っている。しかしながら、金銭的な提供と同時に、お互いに向き合って費やせる時間にも制限がある。企業はイベントやスポンサーは誰かに任せて、他のことに集中したいと思う反面、企業としてはどれだけ結果が残せるかを最後に確認しなければいけない。
もともと私は直接やりとりすることを好んでいたが、間に入る代理店の調整も多いのが現実で、どこまで理解し説得・納得できるのかがこれからの代理店の求められている素質であると思う。
機会をどう生かすのか?
機会の生かし方にも相当なバリエーションがある。レッドブルのような飲料ブランドだとすると、最終的には飲料機会の訴求はとても大事である。しかしながら、ただその場で試してみただけだと、次への継続に繋がらない傾向がある。
そもそもそのブランドの認知や商品特性が理解されていないまま進めてしまうと、単なるロゴがこれだけ出ましたといった形に陥ることが多い。以前、宣伝会議のJAPAN CMO CLUB内での取材でも答えたが、注力しなければならないのは、最適な機会(オケージョン)と参加者の体験の場を作り出すことだ。つまりオケージョンの訴求を行うために、そこにいる選手と観客が同じ空間で体験、共有することを、どう作れるか。
アスリートには大会で勝つためのエナジーが必要で、そして観客は彼らを応援するその熱量が必要になってくる。イベントが盛り上がれば、アスリートにとってはさらにやる気が起き、そのスピリットが伝わり観客の熱量はもっと上がる。このサイクルをどれだけ作っていけるかを真剣に考えていくことをやれたかで結果が変わってくると思っている。
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