ニートからハーバードへ・・・石川さんの不思議な経歴
石川:うっかりというんですかね(笑)。
権八:めっちゃ共感します。要するに手続きのミスでしょ?
石川:おっしゃる通りです。手続きに弱い。もともとは大学院で研究を続けようと思ったんですけど、そのためには大学院に行く手続きがいるんですよ。
中村:当然ですよ(笑)。何言ってるんですか。大学院は入試か、そのまま上がるというのがあるんですかね。
石川:入試はあるんですよ。みんなも入試があるらしいぞと。僕は修士課程には流れに乗って入ったんですね。そのまま博士課程に行きたかったんです。その博士課程への手続きをみんなこっそりやりおってたんですよ。
中村:そんなことないでしょ(笑)。
石川:誰も教えてくれなくて。気づいたのが卒業する直前ですよ。2月ぐらいに気付いて、先生に言ってもどうにもならなくて。ただ、人生は必ず何とかなると思って卒業式を終えた翌日、何もなってなかったんですよ(笑)
中村:部屋でぽつーんと(笑)。
石川:ぽつーんと。そこから2年ぐらいのニート生活がはじまったんですけど、めちゃくちゃ楽しかったですね。ニートやってると、社会人になった友達とは会いづらくなるんですよ。女の子と飲み会でも1人だけスーツじゃないし、名刺も持ってないし。そうすると、どうしてもつるむのがニート仲間。ニートはニートを呼ぶんですね。よくみんなで渋谷のデニーズにいたんですけど。
中村:いそう(笑)。
石川:世の中にはいろいろな人がいるんだなと、そこで学びましたね。たとえば三重県から来ていた友達はケーキ工場で働いていて、ショートケーキにイチゴを載せるというのを高校卒業して延々やってたんですね。結構大変で、集中力も必要で、載せるのをミスるとラインが止まるからめっちゃ怒られるんですよ。集中して3年間やってたんですけど、3年目に気づいたらしいんですね。「もしかしたら、もうちょっと俺には向いた仕事があるかもしれない」と。
一同:(笑)
石川:それで東京に来てニートという。そんな面白い奴がいっぱいいて。それでワイワイガヤガヤやってたんですけど、転機が訪れるんですね。いつまでも楽しいときは続かないと。ある日、ニートの先輩がデニーズに来たから、「お疲れーっす」と言うと、「疲れてねーし、俺ニートだから」って(笑)。「ですよね」というニートお約束みたいのがあるんですよ。
権八:面白い。「働いてねーよ」って。
石川:その先輩が「今日は真面目な話なんだ」と。「何すか?」と聞いたら、「実は俺ニート卒業すんだよね」と言うんです。「何やってくれてるんですか、ちょっと待ってくださいよー」となって、「いや違うんだ」と。法律上の定義で、ニートは34歳までなんですよ。
一同:へー!
石川:35歳からはスネップというのに変わるんですね。「俺は35歳になるからニート卒業だ」、「おめでとうございます」と、ワイワイガヤガヤやってたんですけど、「実はおまえらに伝えたいことがあって今日来たんだ」と。よくよく話を聞くと、先輩が言いたいのは、「おまえらこのままじゃまずいぞ」ということなんですよ。
中村:知ってるよ、と(笑)。
石川:いや、薄々は気づいてるんですけど、見ないようにしてるところがあって。その先輩が「若いうちはいいけど俺ぐらいの歳になるといよいよ仕事もないし、誰からも相手にされないぞ」と。それでいろいろ考えた末、僕は一回海外に行って、ロンダリングして帰ってこようと思ったんですね(笑)。でも、海外のことも知らないので、大学といってもハーバードしか思いつかなくて。
中村:有名ですからね。
石川:行けーって応募してみたら、たまたま受かって。
権八:たまたまって(笑)。すごすぎるよ。
石川:面白かったですね。一所懸命勉強して帰ってきたという。
中村:そこでもウェルビーイングが専攻だったんですか?
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