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コロナ禍で自分が宿泊したいプランを企画し広報、メディア露出で社内が驚く予約数を獲得

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人が資産と言われる広告界。人材育成は、広告界に属する企業に共通する重要課題だ。社員のスキルを伸ばし、成長を続ける企業に人材育成の方針を聞く。

横浜ロイヤルパークホテルは、1993年に開業された、三菱地所グループのホテルだ。また、本社のロイヤルパークホテルズアンドリゾーツは、全国で13館を統括しており、2021年には、神戸三宮と京都にそれぞれホテルの開業を控えているという。

横浜ロイヤルパークホテルでは、横浜マーケティング部 営業企画課に広報機能が備わっており、20年12月現在、3名体制で運営されている。

ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ
横浜ロイヤルパークホテル 横浜マーケティング部 営業企画課
若井 理恵子氏

若井氏は、新卒のキャリアは『ホテル西洋銀座』で、レストランやラウンジの現場からスタートしたという。しかし、同ホテルが2013年に廃業。「ホスピタリティの高いサービスを提供するホテル業にやりがいを感じていた」若井氏は、同年、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツにマーケティング担当として転職した。

転職後は、本社のマーケティング担当者として、グループホテルの会員制度の立ち上げ・キャンペーン立案など、新規会員の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上を担った。また、2019年4月からは、ホテルのイベント企画等を担当した。

そして20年4月に、横浜ロイヤルパークホテルの館勤務となる、横浜マーケティング部に異動。広報専任の担当者となった。具体的には、横浜ロイヤルパークホテルに関わる商品企画、メディア対応、ブランディングを目的としたSNS運営を担っているという。

若井氏が宣伝会議を知ったきっかけは、20年1月に「SNS運用担当者養成講座」を受講したことだという。ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに在籍当時、上司から「宣伝会議の講座のクオリティは良いよ。少し受講料は高いが受講したほうが良いよ」と助言を受けていたという。

20年4月に、横浜ロイヤルパークホテルに異動し、未経験から広報担当者となったが、コロナ禍で自宅待機が続いたため、時間に余裕があったという。「今こそチャンスだと思い、広報の勉強がてら、無料のオンラインセミナーを片っ端から参加しました。10回ほど受けてみると、どのセミナーも勉強になったものの、最後はその会社のシステムを買って欲しいという内容でした。そのような1日で終わってしまうセミナーではなく、しっかり基礎を学びたいと思いました。また、以前の上司の助言が印象深かったことも背中を押して上申し、『第29期 広報担当者養成講座』を受講できることになりました」という。

そんな若井氏は、講義内容を生かして、すぐに成果をあげることになった。

「ベテラン広報責任者の方の講義では、企業広報に対するマインド、姿勢を学びました。『誰の敵にもならず中立の立場を保つ。良好なコミュニケーションをとるために、日頃から信頼関係を構築する。メディアの研究として、自費で雑誌を購入し、自社の掲載ができそうな媒体を探す』など、新しい試みを行い続ける努力に衝撃を受けたました。私はこういう人になりたいと思い、今の私にもできることが沢山あるのだと実感しました」という。

また、『プレスリリースの書き方や、ニュースバリューを発見して活用する講義』では、「リリースの書き方について、丁寧に基礎から講義がなされました。『タイトルの付け方、5W1H、写真は人が写っていた方が良い』など、ここまで丁寧なリリースの書き方のマニュアルはないと思いましたし、すぐに活かすことができました」という。

この学びを活かして、若井氏は、新しい取り組みを行った。

「実は、異動直後の20年4月ころに『面白そうで、自分が泊まりたい』と思う宿泊プランを閃き、5月上旬に宿泊部へ提案しました。直後に『この時期ですので、やれることをやれるだけやってみましょう』と、自分の考えた宿泊プランを実際に販売する承認が得られたました。初めて提案したアイデアが実現できると思っていなかったため、すごく嬉しかったです」という。

ここから若井氏の広報担当者としての飛躍が始まった。「自分で考えたプランを販売するなら、企画者の自分が、企画に込めた思いをリリースで表現すると良いのだろうと考えました。早速 講義で学んだ『写真に人が写ったほうがよい』などを実践して、写真撮影に力を入れました。また、自分の思いが詰まった企画ですので、自然とタイトルやリード文にも思いが込もりました」。なお、宿泊プランのネーミングは、宿泊部と相談し『今夜はおこもり “stayロイパ”~自分へのご褒美~』としたという。

結果として「配信方法はこれまでと同じでしたが、当時のホテル業界では、コロナに対応した宿泊プランを販売したことは先進的で、記事が日本経済新聞や神奈川新聞、Webメディアに掲載されました。記者の方の中には『これまでのリリースと違いますね』という言葉もかけられました」と話す。

「自分の書いたプレスリリースが、こんな形で、世の中で広まったことが嬉しかったです。また個人的には、辛口コメントで有名なホテルコンサルティング会社の代表の方が、ご自身のブログで、『おこもりSTAYはリゾート地で販売することが多いが、都市で実施するというのは良い取り組みだ』というコメントをいただけてすごく嬉しかったです」という。

「今だから正直にお話できますが、プラン企画当時の目標は、あくまでもパブリシティ獲得でした。まずはパブリシティにつながって欲しい、売上は二の次、という思いが少しありました。ただその思いは覆されて、想像以上にこのプランの予約をいただきました。結果として、8/31までの限定プランとしていましたが、12/17までプランの販売を延長することにもなりました。また、企画・広報・実売と、一貫した活動でヒットが生まれたことから、この件について社内の反響はものすごいものでした。以降、様々な社内の企画案件で、広報対応を私に指名でお願いされることが多くなりました」と話す。

若井氏は、これまでにも増して仕事が充実し楽しいという。「今までは、本社にいたこともあって、現場の担当者ではなくて管理者でした。それが横浜ロイヤルパークホテルで広報担当者として活動し、担当者として自分の力を発揮しているという実感が得やすく、そこが楽しいです」という。

また、直近では「自分が行った広報活動について、チームで効果検証をするようになりました。一人でできることは限らているので、チームでできることを行うように意識しています。先輩広報担当のおふたりとも意見交換が活発になり、コミュニケーションの量が増えてきたと感じます」と話す。

そんな若井氏に2021年の抱負を聞いた。「横浜ロイヤルパークホテルを全国媒体で有名にしたいです。立地が“横浜”というだけで、全国媒体への掲載チャンスが減っているような悔しい思いを何度もしてきました。東京・大阪・京都等、地域別にまとめられてニュースになることが多く、横浜は対象外になってしまうのです。こうした状況を変えるべく、価値のある企画を発信して、メディアから注目されるホテルになりたいです」と語ってくれた。

広報の考え方を体系的に習得するため、若井氏が受講した講座は……
「オンライン開講 広報担当者養成講座」でした
 

広報業務の重要性が高まる一方で、業務の基本、また広報がカバーする分野を実務に活かせるレベルまでを学ぶ機会は少ないものです。
 
本講座は、広報に求められる資質、社内情報が集まる仕組み、報道関係者への対応など広報が身につけておきたい基本を全10回でマスターできるカリキュラムとなっています。

 
<次回の開催日程〔オンライン開講〕>
■講義日程
第31期 2021年2月26日(金)開催
■受講定員
60名を予定

 
詳細はこちら
 

お問い合わせ
株式会社宣伝会議 教育事業部
MAIL:info-educ@sendenkaigi.co.jp