コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(パナソニックセールスベトナム 高橋俊介さん)前篇

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お客さまが気づいていないことを洗い出さないと、商売にならない!

—モノ基点からヒト基点への変換が起こる中、調査に変化はありましたか?

調査の頻度は増えました。さらに、その中身も変わりました。現在は新しくベトナムに導入する冷蔵庫について、オンラインでベトナムの富裕層と3時間にわたって、どういう生活をしていて、普段どんなことに興味を持っているか話を聞かせてもらっています。極力冷蔵庫の話はせずに、普段の興味・関心、生活の仕方を洗い出そうとしています。そこに潜在ニーズが潜んでいます。

従来は「こんな機能があったら買いますか?いくらまで出せますか?」みたいな調査が多かったと思います。これはすでにある商品案・ストーリーを正当化するための調査になりがちです。今回は事前に日常の風景を写真に撮ってもらって、それぞれの写真にコメントしてもらうデジタルダイアリーも提出してもらっています。話や写真を通じて、こういうことに興味をもっているのか、やっぱり子供の教育は一番大事なのだな、食の安全に対する意識が高まっているなといったニーズ、ペインポイントが浮かび上がってきます。それだったら今まであまり訴求していなかった、この機能が実はこの顧客群には刺さるかもしれないといったように、マーケティングの打ち出し方を顧客価値を基点に変えている最中です。

私たちは従来の戦い方では戦えていないという危機感を抱いています。競合がどんどん出てきて、新しい戦い方をしてきます。そうした中で、顧客価値創造にフォーカスしたマーケティングに手ごたえを感じており、日本企業の強みをもっと生かす方法がある、韓国・中国勢との差別化を際立たせ、もっと世界のお客様に喜んでいただけると感じています。

玉井博久

広告会社側(リクルート、TUGBOAT)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方の経験を生かして、デジタルを活用した顧客体験(CX)を手掛けカンヌライオンズなど受賞多数。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議)、『「売り方」のオンラインシフト』(翔泳社)。2015年より5年連続シリコンバレーに、2018年より3年連続CESに、深圳、イスラエル、また米中のテックジャイアント本社に足を運び最新のデジタルテクノロジーを視察。得られた知見をマーケティング、Eコマース、コンテンツプロデュースに活用。シンガポールにてASEANのECビジネスを2年で10倍以上拡大させる。2012年より日本のポッキーの、2016年より全世界のポッキーの広告を統括。ポッキーは2020年に世界売上No.1*として、ギネス世界記録™認定。

*タイトル:最大のチョコレートコーティングされたビスケットブランド/2019年 年間世界売上高 推計$589,900,000 (国際市場調査データによる)
* 国際市場調査のデータ分類上、クリームでコーティングされたビスケットも含まれる

 

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